2.5pro
「ねえきらら、まだ? 早くしないと夜になっちゃうよー!」
「わ、わかってるって! 今、心の準備してるんだから!」
放課後、私の部屋。ベッドの上でVRゴーグルを胸に抱きしめる私、天野きららを、親友のひまりが急かす。ベッドには、ひまりに「絶対必要だから!」と強く勧められて、お母さんに頼んで買ってもらった介護用の大きな防水シーツが敷かれている。ゲームをするだけなのに、なんでこんなものが必要なんだろう……。
「まあまあ、ひまり。きららは初めてなんだから、緊張するのも仕方ないよ」
冷静にそう言ってくれるのは、もう一人の親友、ゆい。彼女はもう自分のベッドからログイン準備を終えているのか、アバターの姿で私たちのそばにふわりと浮いている。パステルブルーを基調にしたフリフリのミニスカート衣装……あれが、このゲームのプレイヤー『プニキュア』の姿。(注:VRなのにリアルに出てきたらあかんやろ)
「だって、だって! こんなのエッチだよぉ……」
私がもじもじしている理由は、このゲームのあまりにも特殊な仕様のせいだ。
『プニキュアオンライン』――それは、「誰もがヒロインになれる」をコンセプトにした、今、女子中高生の間で爆発的に流行っているVRMMO。
でも、ただのゲームじゃない。
このゲームでは、ダメージの代わりに『快感』が蓄積される『プレジャーダメージシステム』が採用されているのだ。敵からの攻撃は、痛みじゃなくて、全部セクハラ。胸を揉まれたり、キスされたり、もっとすごいことされたり……。快感が溜まりすぎると、絶頂して動けなくなっちゃう。
そんなのエッチすぎて、恥ずかしすぎる。
でも……クラスの皆は「最高に気持ちいい」「現実じゃできない体験ができる」って、みんな夢中になってる。いつも元気なひまりも、クールなゆいですら、このゲームにどハマりしているのだ。
「大丈夫だって! 痛いことは何もないんだから、身を任せればいいの! ね、ゆい?」
「うん。ある意味、普通のゲームより安全だよ。それに……きららも、興味、あるんでしょ?」
ゆいに図星を突かれて、顔がカッと熱くなる。
……ある。興味、ないわけじゃない。
痛みはないのに、リアルな感覚だけがあって、めちゃくちゃにされて、イかされちゃう。そんなの……どんな感じなんだろうって、ちょっと思っちゃうのは、しょうがないと思う。
「……うん」
「よし! じゃあ決まり! せーのでログインしよ! いくよ、さん、にー、いち!」
ひまりのカウントダウンに背中を押され、私は意を決してVRゴーグルを装着した。
『――プニキュアオンラインへ、ようこそ』
機械的な音声と共に、意識が光の渦に飲み込まれていく。
そして……。
「わ……!」
次に目を開けた時、私は青空の下に立っていた。
爽やかな風が頬を撫で、花の香りが鼻をくすぐる。すぐそばには大きな噴水があって、きらきらと水を弾いていた。信じられないくらい、全部が本物みたい。
「すごい……本当にゲームの中なんだ……」
「でしょでしょー! やばいよね!」
「感覚のフィードバック精度は、他のVRMMOとは比較にならないね」
隣には、私と同じように感動しているひまりと、冷静に分析するゆいがいた。ひまりは太陽みたいなオレンジ色の、ゆいは月みたいなブルーのコスチューム。そして私は……。
おそるおそる自分の体を見下ろすと、桜の花びらみたいな、ピンク色のかわいい衣装を身に着けていた。胸元が大きく開いていて、スカートもふわふわで短い。太ももには、レースのガーターリングが食い込んでいる。
「か、かわいい……けど、恥ずかしい……!」
「それがプニキュアの正装だから。諦めて」
「きらら、ピンク似合ってるよ! よーし、じゃあ早速、プニキュア専用ラウンジに行こ! こっちだよ!」
ひまりに手を引かれ、私たちは公園の中を歩き始めた。ラウンジは、あの『誓いの噴水』から行けるらしい。
周りには私たちと同じようなプニキュアがたくさんいて、みんな楽しそうにおしゃべりしている。本当にすごい世界だ。
「ラウンジに行く前に、ちょっと裏道見ていかない? 序盤で使えるアイテムが落ちてたりするんだよ」
「へえ、そうなの?」
ゲーマーのゆいの提案で、私たちは公園の茂みの先にある、少し薄暗い路地裏へと足を踏み入れた。昼間なのに、ビルの影になっていて空気がひんやりしている。
その、時だった。
「……見つけたぜェ、可愛いプニキュアちゃんたち」
げ、と固まるひまりとゆい。
前方から、ぬっと黒いスーツを着た男たちが三人、現れた。サングラスをかけていて、いやらしい笑みを浮かべている。あれが、悪の組織『エンダーク』の戦闘員……!
「う、うわぁ!?」
「初心者狩りか……! きらら、私の後ろに!」
ゆいが私を庇うように前に出て、ステッキを構える。
「くらえ! 『ムーンライト・アロー』!」
ゆいのステッキから放たれた青い光が、戦闘員の一人に向かって飛んでいく。しかし――
カキン!
光は戦闘員の体に当たる直前、まるで透明な壁に弾かれたかのように霧散した。
「なっ……!?」
「無駄だぜお嬢ちゃん。そんな豆鉄砲、俺たちみたいな『格上』には通用しねえんだよ」
「え……?」
「このゲームはなァ、実力差がありすぎると、物理攻撃も魔法も全部無効化されちまうんだ。……わかるか? お前らが俺たちを倒す方法は、一つしかねえってことだよ」
ニヤリ、と戦闘員が笑う。
その瞬間、三人の男たちが一斉に私たちに襲いかかってきた!
「きゃあああっ!?」
「くっ……離せ!」
ひまりとゆいが、あっという間に両腕を掴まれて拘束される。私も逃げようとしたけど、すぐに屈強な腕に背後から抱きしめられ、動きを封じられてしまった。
「う、うわぁん! な、なにすんの!」
「なにって? もちろん、お前らを『気持ちよく』してやるんだよ」
耳元で囁かれ、首筋に生温かい舌が這う。
「ひぃっ!?」
びくん、と体が震えた。ぞわぞわーっと、背筋に今まで感じたことのない感覚が走る。痛くはない。でも、すごく……変な感じ。
『快感値が10ポイント上昇しました』
頭の中に、無機質なアナウンスが響く。これが、『プレジャーダメージ』……!
「さあ、まずはご挨拶代わりのセクハラだ。たっぷり可愛がってやるからなァ……!」
私の胸元に、男の大きな手が伸びてくる。柔らかい胸の膨らみが、服の上からむんずと鷲掴みにされた。
「んんっ……!?♥」
ダメ、そんなとこ触っちゃ……!
頭ではそう思うのに、体は正直だった。胸を揉まれるたびに、甘い痺れが全身に広がっていく。腰が砕けそうになって、立っているのがやっとだった。
「ははっ、いい反応じゃねえか。初心者は素直で最高だぜ」
男は楽しそうに笑いながら、私の胸をこねくり回す。
隣を見ると、ひまりもゆいも、別の戦闘員に同じように胸やお尻を触られて、悔しそうな、でもどこか蕩けたような表情を浮かべていた。
「んぅ……っ、や、やめ……♥」
抵抗しようとする私の声は、甘く上擦って吐息に変わる。
ああ、だめだ。なんだか、頭がふわふわしてきた……。
これが、プニキュアの戦い……。
これから、私たち、どうなっちゃうんだろう……?
未知の快感への恐怖と、ほんの少しの期待に身を震わせながら、私の意識はゆっくりと、卑猥な刺激の渦に飲み込まれていくのだった。
「んんっ……んく……っ♥」
戦闘員の男の指が、コスチュームの隙間から滑り込んでくる。ひんやりとした指先が素肌に触れた瞬間、私の体はびくん!と大きく跳ねた。
「ひゃあっ!?♥ だ、だめ……直接は……♥」
「ははっ、何言ってんだ? これからもっとすごいことするのによォ」
男は耳元でげらげらと笑いながら、私の胸の膨らみを直接揉みしだき始めた。柔らかい皮膚が指の間にむにゅっとはみ出し、形を変える。てっぺんにある硬い突起を指先でカリカリと弄ばれると、脳が痺れるような甘い快感が全身を駆け巡った。
「あ、あう……♥ あ、そこ……っ、んんぅうう……♥♥」
もう、まともな声が出せない。
恥ずかしいのに、やめてほしいのに、腰が勝手にくねくねと動いてしまう。男の体に、もっと触ってほしくてすり寄ってしまう。
『快感値が30ポイント上昇しました』
『快感値が40ポイント上昇しました』
無機質なシステム音声が、私の理性が溶けていくのを実況しているみたいだった。
「ひまりちゃん……ゆいちゃん……」
助けを求めようと隣を見ると、二人の様子も尋常ではなかった。
ひまりは、戦闘員に正面から抱きかかえられるようにして、唇を激しく貪られていた。
「んむぅ……!?♥ ん……ちゅぱ……れろ……♥」
「おら、もっと舌出せよォ!」と命令され、必死に抵抗しながらも、時折漏れる吐息は熱っぽく、顔は真っ赤に上気している。
ゆいは、地面に押し倒され、馬乗りになられていた。いつも冷静な彼女の眉間には深い皺が刻まれているけど、その口からは「はぁ……はぁ……♥」と、喘ぎ声しか出ていない。戦闘員は彼女のスカートの中に手を突っ込み、太ももの内側をいやらしく撫で上げていた。
「くっ……こんな……データにない……感覚……っ♥」
そう、これはただのデータなんかじゃない。
私たちの脳と体に直接刻み込まれる、本物の『快感』なんだ。
「おっと、そっちのお嬢ちゃんもイイ感じにキマってきたなァ?」
私を拘束していた男が、にやりと笑う。
気づけば、私の快感値は50を超えていた。
『――恍惚状態に移行しました。防御力が大幅に低下し、思考が鈍化します』
そのアナウンスと同時に、ぐにゃり、と視界が歪んだ。頭にモヤがかかったみたいに、何も考えられなくなる。体の力が抜けて、男の腕にぐったりと寄りかかることしかできない。
「あ……ぅ……♥」
「へへ、もう抵抗もできねえか。よし、こっからが本番だぜ」
男は私を抱きかかえたまま、近くの壁に押し付けた。そして、私のスカートを乱暴にめくり上げる。
「ひっ……!?」
お尻の割れ目に、布越しに硬い何かがごりごりと押し付けられた。それが男の大きな欲望の塊――チンポだと理解した瞬間、私の体は恐怖と、そして未知の興奮でわななく震えた。
「さあ、啼けよプニキュア。お前のおまんこは、どんな声で啼くんだ……?」
男の指が、私のパンツのクロッチ部分をぐりぐりと押し始める。薄い布一枚を隔てて、一番感じるところを直接刺激される。
「んああああっ!?♥♥ そこ、だめぇ……! いっちゃう、いっちゃうからぁ……!!♥♥」
びくびくっ!と全身が痙攣し、脚の力が抜けてがくがくと震え出す。膣の入り口が、きゅうっと締め付けられるのが自分でもわかった。
「おらおら、まだイくには早いぜ! フィニッシュは、俺様のチンポをお前の膣(おまんこ)にぶち込んで、たっぷり中出ししてやるときだからなァ!」
戦闘員はそう言うと、私のパンツに指をかけ、一気に引き裂いた。
「あ……」
ブチッという音と共に、私の秘密の場所が、完全に無防備に晒される。
そして目の前には、戦闘員のズボンのチャックが下ろされ、そこから解放された巨大なチンポが、禍々しい熱気を放ちながら姿を現した。
(うそ……あんなに、大きいの……?)
恐怖で体が竦む。でも、同時に、心のどこかでワクワクしている自分もいた。あんなものが、私の中に入ってくる……?
(でも、大丈夫……私には、『純潔のヴェール』があるから……!)
ゲーム開始時、処女のプレイヤーにだけ与えられる特殊な魔法。これが有効な限り、処女を奪われることはないはず。
しかし、私の淡い期待は、戦闘員の次の言葉で無残に打ち砕かれた。
「お嬢ちゃん、『純潔のヴェール』なんていうお守りに頼ってるみてえだが……そんなもん、自分で解除できるってこと、知らねえのか?」
「え……?」
「快感が極まって、自分から『お願い、チンポ入れてください』って言っちまったら、その魔法は解けちまうんだぜ。……さあ、お前のその可愛いおまんこが、どこまで我慢できるか、試してやろうじゃねえか……!」
男の指が、粘液でぬるぬるになった私の割れ目を、つい、と撫でた。
「あ゛あ゛─────────っ゛♥♥」
絶叫に近い悲鳴が、薄暗い路地裏に響き渡った。
もうダメだ。こんなの、絶対に我慢できるわけがない。
私の初めては、こんなところで、知らない男の人に、奪われちゃうんだ……!
「あ゛あ゛─────────っ゛♥♥」
私の絶叫に、戦闘員の男は満足そうに口角を吊り上げた。
男の指は私の秘密の谷間を執拗に抉り、いちばん敏感な豆(クリトリス)を『ぐり、ぐり、ぐりっ』と執拗にこすり上げる。
「ひっ、あ、あんっ、んんぅうううっ♥♥♥」
そのたびに、電撃みたいな強烈な痺れが背筋を駆け上り、全身がびくんびくんと痙攣する。もう自分の体が自分のものじゃないみたい。快感の波が次から次へと押し寄せて、意識が真っ白に塗りつぶされていく。
「はっ、はひぃっ、あ、あ、あ……もう、だめぇ……いっちゃ、う……いっちゃいまひゅぅううううっ!!♥♥♥」
言葉がめちゃくちゃに溶けていく。頭のてっぺんから爪先まで、ぞくぞくする感覚が突き抜けた瞬間、私の膣(おまんこ)の奥がきゅうううんっ!と強く収縮した。
『ヒクンッ、ヒクンッ!♥』
まるで心臓みたいに、膣の筋肉が勝手に律動的な痙攣を始める。これが、イくってこと……?
じゅわぁ~~~っと、下腹の奥から脳みそまで蕩けるような、とてつもない快感が広がって、全身の力が抜けていく。
「ふ……ぁ……はぁ……ぅ……♥」
だらりと壁にもたれかかり、浅い呼吸を繰り返す。口の端からは、自分のものではないみたいなよだれがツーっと垂れていた。
初めての絶頂(オーガズム)。それは、想像を絶するほど甘美で、抗いがたいものだった。
「へへっ、いい声でイッたじゃねえか。だが、こんなのはまだ準備運動だぜ?」
男はそう言うと、私の体を地面に押し倒した。そして、私の両足を掴んで、大きくM字に開かせる。
「ひ……」
完全に無防備になった私の股の間に、男が覆いかぶさってきた。さっき見た、巨大なチンポが、ぬるぬるに濡れた私の秘裂にずぶり、と先端をめり込ませる。
「ああんっ!?♥♥」
熱くて、硬い。指とは比べ物にならない存在感が、私のいちばん奥をこじ開けようとしている。怖い。恥ずかしい。でも……。
(もっと……♥ もっと奥まで、このおっきなので、めちゃくちゃにしてほしい……♥)
一度イってしまった体は、もう正直だった。羞恥心なんていう理性の壁は快感の津波に洗い流され、そこにはもっと強い快楽を求める本能だけが残されていた。
「おら、どうした? 気持ちよかったんだろ? もっと欲しくなっちまったんじゃねえのか?」
男は私の耳元で囁きながら、チンポの先端を入り口で『ぐりぐり』と擦り付ける。
「あ、んっ……♥ んぅう……っ♥♥」
「さあ、言うんだよ。『純潔のヴェール』をその手で脱ぎ捨てて、俺様のチンポをねだるんだ。『私の処女(おまんこ)にチンポ入れてください』ってな……!」
言えるわけない。そんな恥ずかしいこと……!
でも、体は正直だ。膣の入り口は、彼のチンポを迎え入れようと、きゅんきゅんと脈打っている。
ちらり、と横目で仲間たちの様子を窺う。
ひまりは、戦闘員に乳首を直接吸われていた。「んちゅ、じゅるっ……♥」という生々しい音を立てられながら、「あ、あぁん……♥ そんなとこ吸われたら、またイっちゃうのおおぉっ……♥♥」と涙目で喘いでいる。
ゆいは、ついに戦闘員の指を膣(なか)に入れられていた。「あっ、あっ、そこ、なに、これぇ……♥♥」と、今まで聞いたこともないような甘ったるい声で啼きながら、腰をびくびくと痙攣させている。Gスポットを刺激されているのだ 。
誰も、助けてくれない。みんな、快感の虜にされかかっている。
もう、抗う術なんてないんだ……。
「さあ、早く言え。言わねえなら、お前の仲間たちを先にお前の目の前でメチャクチャにしてやろうか?」
「ひ……っ!?」
「お前のその可愛い唇で、俺様を悦ばせてみろよ……」
男の熱いチンポが、私の入り口をさらに強く押し広げる。あと少し、あと少しで、硬い先端が処女膜を突き破って、中に侵入してきてしまう。
ダメ……でも……欲しい……。
言わなきゃ、もっとひどいことをされる。でも、言ったら、もう元には戻れない……!
私の唇が、わななと震えながら、ゆっくりと開いていく。
「わ、た……し……の……」
快感に潤んだ瞳で戦闘員を見上げながら、私は、本能に全てを委ねる覚悟を決めた。
「わ、た……し……の……っ♥」
途切れ途切れの、掠れた声。
目の前の戦闘員は、私の言葉の続きを待っている。そのいやらしい視線と、股間で熱く脈打つチンポの存在感が、私のなけなしの理性を焼き切っていく。
もう、どうにでもなれ。
怖いけど、恥ずかしいけど、それ以上に、この熱いものでめちゃくちゃにされたい。この得体の知れない、でもどうしようもなく甘美な快感に、身も心も沈んでしまいたい。
それは、絶望なんかじゃなかった。すべてを委ねることでしか得られない、至高の安堵感と幸福感を伴う『諦め』だった。
「わたひの……おまんこに……チンポ、いれて……くだひゃい……♥♥」
ついに、言ってしまった。
舌がもつれて、おかしな発音になったけれど、私の願いは確かに男に届いた。
『――プレイヤーの意思を確認。“純潔のヴェール”を解除します』
無慈悲なシステム音声が響くと同時に、男は「よく言えたなァ!」と獰猛な笑みを浮かべ、私の腰を掴んでぐっと引き寄せた。
「あああっ!?」
抵抗する間もない。熱く膨れ上がった亀頭が、処女の証である薄い膜を『ぶちり』と音を立てて突き破り、私の狭い膣(なか)へと侵入してきた。
「いっ……あ、あ、あぐぅうううっ!?♥♥」
一瞬の鋭い感覚。だけど、それもすぐに、灼けるような熱と、内側から無理やりこじ開けられる圧倒的な快感に塗り替えられていく。男の巨大なチンポが、ぬるぬると粘液を撒き散らしながら、私の膣壁を押し広げ、奥へ奥へと進んでくる。
「きっ、つ……!?♥ おっき、い……!♥♥♥」
「はっ、てめえのマンコが気持ち良すぎるんだよ……! まだ誰も入れたことねえ、極上の生マンコだ……!」
男は私の耳元で荒々しく喘ぎながら、ゆっくりと腰を突き入れ始めた。『ぐちゅ、じゅぷ……』と、私の体からいやらしい水音が響き渡る。
そのたびに、さっきの指での愛撫とは比べ物にならない、鈍くて重い快感が子宮(おまんこ)の奥を直接突き上げる。
「あ、あ、あ、そこ……っ、そこぉ……だめぇ……♥♥♥」
頭が真っ白になって、何も考えられない。ただ、男のチンポが私の体を貫くたびに、全身の細胞が歓喜の悲鳴を上げるのを感じるだけ。
男のピストンが、だんだんと速く、そして激しくなっていく。
『ぱんっ♥ ぱんっ♥ ぱんっ♥』
男の腰が、私の尻に打ち付けられる音が、路地裏に響く。
もう、私が私でなくなっていく。ただの、チンポを受け入れて快感を貪るためだけの、雌の肉塊に変わっていく。
「んんっ、あ、あ、あ゛、あ゛─────────っ゛♥♥」
「おらっ、イけよ! 俺のチンポで、人生イチの深い絶頂(ガチアクメ)を味わえやァッ!」
男が一番奥、子宮の入り口に『ゴンッ』とチンポを突き立てた瞬間、私の世界は弾け飛んだ。
「い゛ぎゃああああああああっっっ!!!!♥♥♥♥」
白目を剥き、口から泡を吹いて、全身が弓なりに反り返る。膣と子宮が、ちぎれんばかりに『ビクンッ!ビクンッ!』と激しく収縮し、男のチンポを締め上げた。
脳が焼き切れるほどの快感が、じゅわぁ〜〜〜っと全身を駆け巡り、意識を完全に刈り取っていく。
「おおっ、すげえ名器だ……! 俺も、もう、だめだぁっ!」
私の絶頂に誘発され、男もまた咆哮した。
種付けプレスのように私にのしかかり、子宮口にチンポの先端を固定する。
「奥まで、たっぷり……出すぜぇぇぇっ!!」
『びゅるるるるるるるるるっ♥♥』
灼熱の精液が、とんでもない勢いで私の膣の奥、子宮の中に直接叩きつけられた。熱くて、いっぱいで、お腹の中が彼の生命(いのち)で満たされていく感覚。
妊娠しちゃう。いや、これはゲームだから大丈夫なはず。でも、そんな理屈はどうでもよくなるくらい、子宮で受け止める精液は、どうしようもなく気持ちよかった。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
男が満足げにチンポを引き抜くと、私の膣口からは、彼が出したばかりの精液と私の愛液が混ざり合ったものが、とろりと溢れ出てきた。
地面に大の字になったまま、小刻みに痙攣を繰り返すことしかできない。
(あ……あ……きもち、よかった……♥)
ぼんやりとした頭で、そんなことを考えていた。
恐怖も羞恥も、今はどこか遠い。ただ、全身を駆け巡った途方もない快感の余韻と、お腹の奥に残る温かい幸福感だけが、私の全てだった。
これが、プニキュアオンライン……。
これが、女の子が本当に『堕とされる』っていうことなんだ……。
朦朧とした意識の中、最初に聞こえてきたのは、親友の悲鳴だった。
「んんんんっ、いやぁあああっ!♥ そ、そんなとこ吸っちゃ……おっぱい、おかしくなっちゃうううぅぅっ!!♥♥」
ひまり……?
ゆっくりと、重たいまぶたを開ける。
さっきまで私をめちゃくちゃにしていた戦闘員は、満足げな顔で少し離れたところに立っている。もう私に興味はないみたいだ。ゲームのルール通り、射精させたことで戦闘を放棄したのだろう。
私の体は、まだびくびくと微かな痙攣を繰り返している。お腹の奥がじんじんと熱くて、太ももの内側を、私の中から溢れ出た生温かい液体が伝っていく感覚が、どうしようもなく生々しい。
そして、目の前には、地獄と天国が混ざり合ったような光景が広がっていた。
「あ、あ、あ、あ゛、あ゛─────────っ゛♥♥♥」
ひまりが、甲高い絶叫を上げてイッた。
戦闘員に乳首を吸われ続けた彼女の体は、大きく弓なりに反り、まるで電撃を浴びたかのように全身を硬直させている。それは膣での絶頂とはまた違う、全身の細胞が痺れるような、特殊なオーガズムなのが見て取れた。
「はーっ、はーっ……♥ もう……むりぃ……♥」
絶頂の余韻にぐったりとするひまりを、戦闘員は容赦なく地面に組み敷く。
「おら、こっちも啼かせてくれよォ!」
もう抵抗する力も残っていないひまりの制服のスカートがめくられ、その太ももの間に、凶悪なチンポが宛がわれる。ひまりは涙目でそれを見つめ、いやいやと首を振るけれど、その体は、次の快楽を待ち望むかのように小さく震えていた。
もう一人、ゆいは……。
「あ、んっ……♥ あ、そこ、だめ、私の……なかが、ぐじゅぐじゅに……なっちゃ……♥♥」
馬乗りになった戦闘員が、彼女のスカートの中で指を激しく動かしている。いつも冷静なゆいの口からは、信じられないほど甘い喘ぎ声が途切れなく漏れていた。Gスポットを的確に刺激され、理性が完全に破壊されているのだ。
「こ、の……快感……パターン……解析、ふか……のう……っ♥ あ、あ、あ、イク……!イっちゃいましゅぅううううっ!!♥♥♥」
ゆいもまた、激しい膣の痙攣と共に絶頂を迎えた。体がびくんびくんと跳ね、焦点の合わない瞳で虚空を見つめている。
「へへ、良い子だ。じゃあ、ご褒美をくれてやるよ」
戦闘員は指を引き抜き、代わりに自身の熱いチンポを、ぐっぷりとその濡れた入り口に沈めていった。
「あ……ああ……」
私は、その光景をただ見ていることしかできなかった。
二人の親友が、私と同じように、男のチンポで体を貫かれ、めちゃくちゃにされていく。
恐怖と、罪悪感。そして、その奥から湧き上がってくる、黒くて甘い感情。
(みんな……おんなじだ……♥)
私たち、三人とも、もう『女の子』じゃなくて、『メス』にされちゃったんだ。
この背徳的で、どうしようもない快感を知ってしまった。もう、後戻りはできない。
その事実は、不思議な一体感と、倒錯した喜びを私にもたらしていた。
『ぱんっ♥ ぱんっ♥』
『ぐちゅ、じゅぷっ……♥』
二つの場所から同時に、いやらしい水音と肉のぶつかる音が響き渡る。
ひまりとゆいの喘ぎ声が、美しいハーモニーのように重なり合う。
「あ゛あ゛んっ、も、やめ……こわれちゃうのおおぉっ!♥♥」
「ひぃいっ、しきゅう、子宮が……チンポで……ぐりぐり……され……るぅうううっ♥♥♥」
そして、二人の絶叫が同時に響いた。
「「いぎゃあああああああああっっっ!!!!♥♥♥♥」」
二人の戦闘員が、ほぼ同時にそれぞれの膣の奥深くに、熱い精液を叩き込む。二人の体も、私と同じようにビクンビクンと激しく痙攣し、白目を剥いて恍惚の表情を浮かべていた。
やがて、戦闘員たちは満足げに腰を引くと、私たち三人を放置して、何事もなかったかのように路地裏の闇に消えていった。
静寂が戻った路地裏には、ぐったりと体を横たえる三人の魔法少女の姿だけが残された。
コスチュームは乱れ、肌は汗とよだれで濡れ、それぞれの股からは、男たちの精液がとろとろと溢れ出ている。
「……はぁ……はぁ……」
「……うそ……みたい……」
ひまりとゆいが、か細い声で呟く。
私たちは、顔を見合わせた。
三人の頬は赤く染まり、瞳は快感の熱で潤んでいる。
言葉はない。
でも、お互いが何を考えているのか、わかってしまった。
(気持ち、よかった……ね……♥)
初めてのログイン。
初めての戦闘。
そして、初めての敗北。
私たちはたった数十分で、この世界の本当の恐ろしさと、抗いがたい魅力の虜になってしまったのだった。
どれくらい、そうしていただろうか。
路地裏の冷たい地面に横たわったまま、私たちは言葉もなく、ただ互いの存在を確かめるように息をしていた。
お腹の奥に注がれた熱はゆっくりと体に吸収されていくのに、全身を駆け巡った快感の記憶は、脳裏に鮮明に焼き付いて離れない。
「……とりあえず、綺麗にしよっか」
沈黙を破ったのは、意外にもゆいだった。彼女はゆっくりと身を起こすと、スカートについた土を払いながら、空中にメニュー画面のようなものを呼び出した。
「メニューの『スキル』から、『パーソナル・クリーン』が使える。詠唱は不要」
「クリーン……スキル……」
私もひまりも、言われるがままにメニューを開く。たしかに、そんなスキルがあった。ゲームを始める前は、何に使うのか不思議に思っていたけれど、今なら痛いほどわかる。
スキルを発動させると、ふわり、と柔らかい光が私たちの体を包み込んだ。
光が晴れた時、さっきまでの惨状が嘘のように、私たちの体は元通りになっていた。破られた下着も、乱れたコスチュームも、肌についた汗や唾液、そして男たちの精液も、すべてが綺麗さっぱり消え去っている。
魔法って、すごい……。
でも、体が綺麗になっても、私たちの『中』は、もう綺麗じゃなかった。
一度、男のチンポと精液の味を知ってしまった子宮(からだ)は、その記憶を忘れてはくれない。
「な、なんだったのよ、アイツら……! いきなり、あんな……!」
ひまりが、気丈にも声を張り上げた。でも、その声は震えていて、頬はまだ林檎のように赤い。
「あれが、このゲームの『格上の敵』との戦闘、『セクシャル・コンフリクト』なんだと思う。物理攻撃が無効化された時点で、勝敗の決め方は一つしかない」
「一つって……あんな……あんなの……あんまりだよ……」
ひまりが俯く。その気持ちは、すごくよくわかった。
でも、心の奥底で、もう一人の自分が囁くのだ。
「……でも」
私の小さな声に、ひまりとゆいが顔を上げる。
「……気持ち、よかった……よね……?」
言ってしまってから、はっとした。なんて恥ずかしいことを。
でも、ひまりも、ゆいも、私の言葉を否定しなかった。それどころか、二人は気まずそうに視線を逸らし、小さく、頷いた。
「……悔しいけど……イッちゃったのは、本当だし……」
「うん……。Gスポットを刺激された時の快感パターンは、脳が処理を拒否するレベルだった。あれは……抗えない……」
私たち、三人とも、同じだったんだ。
怖くて、恥ずかしかった。でも、それ以上に、とてつもない快感に溺れてしまった。
今まで知らなかった自分の体。男の人にめちゃくちゃにされることの、背徳的な悦び。
もう、私たちは、何も知らなかった頃には戻れない。
「……ラウンジ、行こっか」
私が言うと、二人はもう一度、こくりと頷いた。
これ以上、こんな路地裏にいても仕方がない。情報を集めて、もっとこの世界のことを知らなければ。
どうすれば、あんな風に敗北しないで済むのか。
そして……どうすれば、もっと、あの快感を味わえるのか。
私たちは、三人でゆっくりと路地裏を抜けた。
さっきまでとは打って変わって、明るい日差しが降り注ぐ公園は、平和そのものに見える。
でも、もう知ってしまった。この平和な街の裏側には、私たちの知らない快楽の世界が広がっていることを。
まっすぐ、公園の中央にある『誓いの噴水』へ向かう。
プニキュア専用ラウンジ『ソレイユ・ガーデン』への入り口だ。
噴水の前に立った私たちは、もうただのゲーム初心者ではなかった。
敗北と快感の洗礼を受け、少女から『雌』へと生まれ変わる、三人の魔法少女だった。
これから始まる本当の冒険を前に、私の心臓は、恐怖と、そして甘い期待に、大きく高鳴っていた。
『誓いの噴水』に触れると、私たちの体は柔らかな光に包まれ、次の瞬間、まったく別の場所に立っていた。
「わ……すごい……!」
そこは、白を基調とした、光溢れる空中庭園だった。空に浮かんでいるのか、足元には雲海が広がり、ガラス張りの床を通して遥か下の花丸町の景色が見える。これが、プニキュア専用ラウンジ『ソレイユ・ガーデン』……!
ラウンジの中は、大勢のプニキュアたちで賑わっていた。
回復ポーションを大量に買い込んで、パーティメンバーと合流し、慌ただしくダンジョンへ向かう一団。一方で、カフェテラスのような場所で、優雅にお茶をしながらおしゃべりに興じるグループもいる。
「この前の『中年男性総スケベ化計画』のイベント、駅前のドスケベクラスターに巻き込まれて、3時間も連続絶頂させられちゃった♥」
「わかるー! でもおかげで『連続絶頂耐性』のスキルレベルが上がったから、結果オーライかなって♥」
聞こえてくる会話の内容に、私たちは顔を見合わせる。みんな、私たちが体験したようなことを、当たり前のように、むしろ楽しそうに話している……!
そして、ラウンジの中央付近で、私たちは思わず足を止めた。
そこはリスポーン地点のようで、魔法陣のようなものが淡く光っている。その上に、何人かのプニキュアたちが、生まれたままの姿で倒れていたのだ。
「……はだか……」
ひまりが呆然と呟く。
彼女たちは皆、ぐったりと脱力し、虚ろな目で天井を見つめている。体には何もまとっておらず、その肌にはついさっきまで激しい戦闘……ううん、激しいセックスを繰り広げていたことを示すように、乱れた体液の跡が生々しく残っていた。
「……敗北すると、装備が一時的にロストして、あの状態でリスポーンするんだね」
ゆいが冷静に分析するけれど、その声は少し震えている。
あそこにいるのは、明日の私たち、なのかもしれない。そう思うと、背筋がぞくりとした。
私たちの視線は、自然とラウンジの壁に設置された巨大なモニターへと移った。
そこには、様々な情報が目まぐるしく表示されている。
【緊急イベント】催淫電波タワーを破壊せよ!ランキング速報!
1位:パーティ『月下の肉便器』
2位:YAMADA
3位:純潔騎士団
【ライブ中継】花丸町・臨海倉庫街
モニターの一角には、町の各地を映すライブ映像が流れていた。倉庫街の映像では、一人のプニキュアが、大勢のエンダーク戦闘員に囲まれ、陵辱されている様子が映し出されている。それは、さっきの私たちと同じ……いや、もっとひどい光景だった。
その隣には、プレイヤーたちが出品したアイテムが並ぶオークションボードがあり、「高濃度媚薬(10個セット)」や「戦闘員の使用済みスーツ」なんてものまで取引されている。ショップにも、回復薬や装備に混じって、「触手拘束脱出ジェル」とか「対スライム用潤滑ローション」といった、使い道を想像したくないようなアイテムが堂々と並んでいた。
情報量が多すぎて、頭がパンクしそう……。
私たちがその場に立ち尽くしていると、突然、三人の目の前に、ぽん、と小さなウィンドウが開いた。
【システム通知】
チュートリアル戦闘の完了、おめでとうございます!
報酬として、プライベート空間『マイ・クローゼット』が解放されました。
ラウンジ内の転送ゲートより、いつでも入室可能です。
「マイ・クローゼット……」
「ハウジング機能か……。私たちだけの、プライベートな部屋……」
ゆいの言葉に、私たちは顔を見合わせた。
ちょうどよかった。
この喧騒から離れて、三人だけで、落ち着いて話がしたい。
さっき体験したこと。これからどうするのか。
そして、このどうしようもない高揚感を、どうすればいいのか。
「……行ってみようか。私たちの、お部屋に」
私の提案に、ひまりとゆいは、強く頷いた。
私たちは、少しだけ早足で、ラウンジの片隅にある『マイ・クローゼット』専用の転送ゲートへと向かった。
ラウンジの片隅にあった、シンプルなデザインのゲートに三人で触れる。
視界が再び光に満たされ、ふわりとした浮遊感の後、私たちは固い床の上に着地した。
「ここが……私たちの……」
目の前に広がっていたのは、がらんどうの、本当に何もない部屋だった。
広さは、学校の教室くらいだろうか。壁も床も、のっぺりとした味気ない白色。奥には大きな窓が一つあるけれど、そこから見えるのは、CGで作りました、と言わんばかりの青空と白い雲だけ。家具はおろか、生活の痕跡が一切ない、引っ越ししたてのような殺風景な空間。
でも、なぜだろう。
その何もない部屋に一歩足を踏み入れた瞬間、私たちはさっきまでの緊張や興奮がすっと溶けていくのを感じた。
「わー! ひろーい!」
一番最初に声を上げたのは、ひまりだった。
「きゃっほー!」と奇声を上げながら、だだっ広い部屋の中を駆け回る。その声が、壁に反響してやけに大きく聞こえた。
「プライベート空間……。その名の通り、他のプレイヤーは干渉できない完全な個室エリアみたいだね」
ゆいが冷静にメニューを操作しながら分析する。その言葉に、私は心の底からほっとした。
「ここなら……誰も、入ってこないんだよね……?」
「うん。招待したプレイヤー以外は絶対に入れない。正真正銘、私たちだけの秘密基地だよ」
秘密基地。
その言葉が、なんだかすごくくすぐったくて、嬉しかった。
さっきまでの、猥雑で、刺激的すぎるラウンジの喧騒が嘘みたいだ。静かで、安全で、私たちしかいない。
その事実が、じわじわと実感になって、私のテンションも上がってきた。
「見て見て、きらら! ここにベッド置こうよ! ふかふかの大きいやつ!」
「あ、いいね! じゃあ、こっちにはテーブルとソファかな?」
「データを見る限り、家具はショップで購入するか、クラフトするみたい。初期費用として、運営から少しだけCP(キュアポイント)が支給されてる」
ゆいが言う通り、メニューの所持金欄には、いつの間にかいくらかのお金が振り込まれていた。
「本当だ! じゃあ、何か買いに行こうよ!」
「さんせーい! まずはベッドとラグマットが欲しいなー!」
さっきまで、男の人にめちゃくちゃにされて、泣きながら絶頂していたなんて、まるで嘘みたいだ。
私たちは、ただの放課後の女子中学生に戻ったかのように、目を輝かせながら、これからの部屋のレイアウトについて夢中で語り合った。
もちろん、あの路地裏での出来事を忘れたわけじゃない。
お腹の奥に刻まれた熱い記憶も、脳裏に焼き付いた快感も、消えることはない。
でも、この何もないがらんどうの部屋は、そんな私たちの傷も、秘密も、全部まとめて優しく包み込んでくれるような、不思議な安心感があった。
これから、この部屋を、私たちの色で、いっぱいに満たしていくんだ。
そう思うと、胸がドキドキした。
プニキュアオンライン。
怖くて、エッチで、めちゃくちゃなゲーム。でも、もしかしたら、私たちはこの世界を、本気で楽しむことができるのかもしれない。
そんな予感が、がらんどうの部屋の中で、確かに芽生えていた。
「よし、じゃあ早速買い出しだー! 目指すは家具屋さん!」
ひまりが元気よく拳を突き上げる。その言葉を合図に、私たちは再び転送ゲートをくぐり、光溢れるラウンジ『ソレイユ・ガーデン』へと戻った。
さっきまであれほど圧倒されていたラウンジの喧騒が、今度は少し違って聞こえる。一度自分たちの安全な部屋を経由したからか、あるいは「家具を買う」という明確な目的ができたからか、周りのプニキュアたちの姿も、ただ観察するだけでなく、自分たちと同じ「プレイヤー」として、どこか親近感を持って見ることができた。
「家具屋さんは……マップだと、あっちのエリアみたいだね」
ゆいが器用にメニューを操作して、目的地を指し示す。
私たちは三人で連れ立って、賑やかなラウンジの中を歩き始めた。すれ違う先輩プニキュアたちの装備は、私たちの初期装備とは比べ物にならないほど豪華で、そして際どいデザインのものばかりだ。胸やお尻が強調された衣装を見て、少しだけ顔が熱くなる。いつか私たちも、あんな格好をするようになるんだろうか……。
たどり着いた家具ショップは、まるでおとぎ話に出てくるような、可愛らしいお店だった。
店内には、様々なデザインのベッドやテーブル、ソファなどが所狭しと並べられている。
「うわー、かわいい!見てきらら、このピンクの天蓋付きベッド、絶対可愛いよ!」
「ほんとだ……お姫様みたい……」
「でも、こっちのシンプルなベッドの方が価格も安いし、私たちの初期資金なら三つ買ってもお釣りがくる。スペース効率もいい」
ひまりが目を輝かせて指差す豪華なベッドと、ゆいが冷静に推薦する実用的なベッド。その間で、私の心は揺れ動く。
どちらも魅力的だ。でも、今の私たちが一番欲しいのは……。
(ベッド……)
その単語が、さっきの記憶を呼び覚ます。
冷たい地面の上で、なすすべもなく体を蹂躙された、あの感覚。
もし、あの時……あんな硬い場所じゃなくて、ふかふかの、柔らかいベッドの上だったら、もっと……なんて、そんなことを考えてしまって、一人で顔が熱くなった。
「……私は、みんなでごろごろできるような、おっきいソファも欲しいな」
「あ、それもいいね!疲れて帰ってきたときに、みんなでくつろげる場所、必要だよ!」
「ふむ……。ソファと、各自のベッドか。予算内で収まるように最適な組み合わせを計算してみる」
私たちは、まるで本当の引っ越しの相談をするみたいに、真剣に、そして夢中になって家具を選んだ。
その時間は、このゲームの倒錯的な側面を忘れさせてくれるくらい、楽しくて、穏やかだった。
結局、私たちはゆいが計算してくれた通り、支給されたCP(キュアポイント)を合算して、シンプルな木製のベッドを三つと、三人で座っても余裕がありそうな、ふかふかの布製ソファを一つ購入した。
購入した家具は、アイテムとして私たちのインベントリに格納される。
「早く戻って設置しようよ!」
「うん!」
私たちは、さっきよりもずっと軽い足取りで、再び『マイ・クローゼット』へと向かった。
これから、あの何もないがらんどうの部屋が、私たちの手で、私たちだけの『城』に変わっていく。
その期待に、私の胸は大きく、そして甘く高鳴っていた。
真新しい家具が運び込まれた私たちの『マイ・クローゼット』は、殺風景だった昨日までが嘘のように、温かみのある居心地の良い空間に変わっていた。
「ん〜……最高……♥」
私はふかふかのソファにごろりと寝転がり、手足をだらんと伸ばす。ひまりとゆいも、それぞれのベッドの上で同じようにだらけて、すっかりリラックスモードだ。安全な自分たちの部屋で、可愛い家具に囲まれて、親友とだらだら過ごす。これ以上の幸せがあるだろうか。
「あーあ、でも、お金ぜんぶ使っちゃったねー。もっと可愛い服とか、お部屋に飾る小物とか欲しいのに!」
ベッドの上で寝返りを打ちながら、ひまりが不満そうな声を上げた。
確かに、私たちの所持金を合算して、ようやくベッドとソファが買えたくらいだ。この世界の通貨『CP(キュアポイント)』は、ポーションや装備の購入、修理など、あらゆることに必要らしい 。
「何か、楽してCPを稼ぐ方法とかないのかなぁ……」
「そんなのあるわけ……いや、待って。調べてみる」
ぐうたらな私の呟きに、ゆいが反応した。彼女はベッドに寝転がったまま、目の前にキーボードと検索ウィンドウを呼び出し、驚くべき速さで指を動かし始める。さすが、現代っ子のゲーマーだ。
「えーっと……CPの基本的な入手方法は、やっぱりダンジョンのクリア、エンダークの撃退、あとはイベント報酬が主だね 」
「う……。また、アイツらと戦うのか……」
ひまりが少しだけ顔を曇らせる。あの路地裏での戦闘は、勝利すればCPが手に入ったのかもしれない。でも、私たちは完膚なきまでに敗北し、めちゃくちゃに陵辱されただけだった。
「またあんな風に負けたら、今度は裸でラウンジに放り出されるんだよね……。それはちょっと……」
「うん……。でも、他の方法も、なくはないみたい」
ゆいが、何か興味深い情報を見つけたのか、少しだけ身を起こした。
「非戦闘系の活動……例えば、特定のNPCと親密な関係を築くことで、特別な『お礼』としてCPやアイテムが貰えることがある、って書いてる」
「特別な、お礼?」
その言葉に、私たちは顔を見合わせる。このセクシャルな体験に特化したゲームにおける『親密な関係』や『特別なお礼』が何を意味するのか、一度あの戦闘を経験した私たちには、嫌でもわかってしまった。
ゆいは、淡々と続きを読む。
「一例として、エンダークの戦闘員。彼らと親しくなれば、非番の日に彼らのアジトや住居を訪ねて、『特別な交流』をすることも可能になる、と」
「……それってつまり……」
ひまりがごくりと唾をのむ。
「戦闘員と、戦わないで……ただ、エッチすれば、お金がもらえるってこと!?」
そのあまりにも直接的な表現に、私は「ひゃあ!?」と素っ頓狂な声を上げてソファの上で飛び上がった。
「そ、そんな、まるで……体を売るみたいじゃん!」
「ゲーム内でのロールプレイだと考えれば、一つの金策手段ではある。戦闘による敗北リスクや装備の損耗がない分、ローリスクで安定した収入が見込めるとも言える」
なんてことを言うの、この二人は!
でも……頭ごなしに否定できない自分もいる。
戦うのは、怖い。また負けて、めちゃくちゃにされるのは、すごく怖い。
でも、ただエッチするだけなら……?
あの、どうしようもなく気持ちよかっただけの時間を繰り返すだけで、お金がもらえるなら……?
「……なんだか、すごいゲームだね、これって」
私がぽつりと呟くと、ひまりは「むしろ好都合じゃん!」とあっけらかんと笑った。
「戦うのは面倒だし、負けるのはムカつく! でも、エッチするだけでCPもらえるなら、その方が絶対楽しいよ! 私、やってみたいな!」
ひまりの瞳は、好奇心でキラキラと輝いている。その姿は、この倒錯した世界のルールに、誰よりも早く順応しているように見えた。
私たちは、この安全な部屋の中でごろごろしながら、戦わずに、自分の体一つでこの世界を生きていく、新たな可能性を見つけてしまったのだった。
「戦闘員とエッチすればCPがもらえる、か……」
ひまりが面白そうに呟き、その言葉が私たちの秘密の部屋の空気に溶けていく。
私はまだ、そのあまりに倒錯した金策方法に、頭の整理が追いつかないでいた。
そんな私をよそに、ゆいはさらに情報を深掘りしていく。彼女の指先が、空中のウィンドウの上を滑るように動いていた。
「……あった。これだ」
ゆいが、一つの情報スレッドを私たちの方に見えるように拡大した。
それは、プニキュアオンラインの初心者向け情報掲示板の記事だった。
【初心者必見】楽してCP稼ぎたい子向け・田中さんの使い方【非戦闘】
「田中さん……?」
「うん。『花丸坂下水道』っていう初心者向けダンジョンの、とある隠し部屋に、お試し用に配置されてる戦闘員NPCみたい。名前は田中。特に何をするでもなく、いつもだらだらしてるだけ、って」
ゆいは淡々と記事の内容を読み上げていく。
「この記事によると、田中さんはこの『交流システム』のチュートリアル的な存在。だから、すごく優しくて、初めての相手にぴったり、だって。それに……」
ゆいは一度言葉を区切り、私たち二人を見つめた。
「この田中さんを起点にして、他の戦闘員を紹介してもらうことも可能らしい。もちろん、紹介してもらう戦闘員のランクが上がるほど、一度の『交流』でもらえるCPも跳ね上がる、って」
つまり、この田中さんという戦闘員は、私たちのための、いわば『入門編』。
ここから、戦闘員のネットワークを広げて、体を売ることで……ううん、体で『交流』することで、どんどんお金持ちになれる。そういうことだった。
「なにそれ、最高じゃん! まさに私たちのための情報だよ!」
ひまりがベッドからガバッと起き上がった。その瞳は、もうすっかりやる気になっている。
「よし、決まり! まずは、その田中さんって人を探しに行こう! そして、たらし込んで紹介してもらうの! もっとお金をくれる、強くてエッチな戦闘員をね!」
「ま、待ってよひまり! 本気で言ってるの!? わざわざ自分から、エッチされに行くってことだよ!?」
私は慌ててひまりを止めようとする。でも、彼女の決意は固いみたいだった。
「だって、その方が効率いいじゃん! 怖い思いしてダンジョンに潜って、負けて裸でリスポーンするより、ずーっとマシだよ! ね、ゆいもそう思うでしょ?」
「うん。ゲーム攻略のセオリーとして、低リスクでリターンが見込めるルートから試すのは合理的。田中というNPCがチュートリアルとして機能するなら、これを利用しない手はない」
クールなゆいまで、完全にその気になっている。
うそ……私だけなの? こんなのはおかしいって思うのは……。
でも、二人の楽しそうな顔を見ていると、私だけ「嫌だ」なんて、とても言えなかった。
それに……心の奥の奥の方で、ちいさな好奇心が芽生えているのも、確かだった。
お試し用の、優しい戦闘員さん……。
どんな人なんだろう。どんな風に、私を……気持ちよく、してくれるんだろう……。
「……わ、わかった。私も、行く……」
かろうじてそう答えるのが精一杯だった。
私の返事を聞いて、ひまりは「よしきた!」と満面の笑みを浮かべる。
「じゃあ、決まりだね! ターゲットは、初心者ダンジョンの戦闘員・田中! それじゃあ、プニキュア、出動ーっ!」
ひまりの号令が、私たちの秘密基地に響き渡った。
これから始まるのが、英雄的なダンジョン攻略ではなく、ただ一人の男の人に体を差し出しにいく、不純な冒険だとは、誰も思わないだろう。
私たちは、三人で顔を見合わせて、悪戯っぽく笑った。
そして、それぞれのベッドから立ち上がり、新たな『任務』へと向かう準備を始めたのだった。
私たちの新たな『任務』、それは戦闘員・田中さんとの接触。
準備といっても、特に装備を整えるわけでもない。ただ、心の準備……というにはあまりにも倒錯した覚悟を決めて、私たちは自分たちの部屋、『マイ・クローゼット』を後にした。
目指すは、初心者向けダンジョン『花丸坂下水道』。
そこは、私たちが通う花丸坂女学園のすぐ近くにある、何の変哲もないマンホールが入り口だった。いつも通る通学路の、すぐ足元にこんな世界が広がっているなんて、なんだか不思議な気分だ。
「ここに入った瞬間から、私たちだけのプライベート空間(インスタンス)が生成されてる。他のプレイヤーは入ってこないから、安心して」
ゆいのゲーマーらしい解説に頷き、私たちはマンホールの梯子を降りていった。
中は、ひんやりとした空気が漂う、薄暗い下水道だった。時折、ぽたん、と水滴が落ちる音が響き、壁にはぬるりとした苔が生えている。時々、ぷるぷるとしたスライムのようなモンスターが道を塞いでいたけれど、戦闘するまでもなく、そっと脇を通り抜けることができた。私たちの目的は、あくまでも田中さんだ。
「確か、掲示板の情報だと……この先の通路、三番目の太いパイプの裏に隠しスイッチがあるって……」
ゆいが先導し、私たちは言われた通りの場所を探す。
ひまりがパイプの裏に手を突っ込むと、ごとり、と小さな音がして、目の前の壁の一部が静かにスライドした。
「あった! 隠し部屋だ!」
壁の向こうには、小さな部屋があった。おそらく、元々はただの水道管のメンテナンス用スペースなのだろう。
私たちは、固唾をのんで、そっと部屋の中を覗き込んだ。
部屋の隅に、男の人が一人、いた。
黒いエンダークの戦闘員スーツを着ているけれど、この前の男たちのような威圧感はまったくない。壁にだらしなく寄りかかり、手元の端末のようなものをぼーっと眺めている。
あれが……。
「……田中さん……」
私が呟くと、ひまりも「なんか……想像してたより、普通の人だね」と少し拍子抜けしたように言った。
もっと、いかにも悪の組織の戦闘員、という感じの、屈強でいやらしい男の人を想像していたから、そのあまりの普通さに、逆に緊張してしまう。
私たちが部屋の入り口で固まっていると、やがて、その男の人――田中さんが、私たちの存在に気づいた。
彼はゆっくりと顔を上げると、私たちを見て、少しだけ驚いたように目を見開いた。
「おや」
そして、彼は、ふ、と柔らかく笑った。
「可愛いお客さんたちだね。掲示板でも見てきたのかな? さあ、そんなところにいないで。どうぞ、中に入って」
その声は、とても穏やかで、優しかった。
まるで、近所のお兄さんにでも会ったかのような、そんな雰囲気。
でも、これから私たちがこの人としようとしていることは、決してそんな健全なものではない。
ひまりが、ごくりと喉を鳴らす。ゆいは、無表情のまま、私を見ている。
最後の一歩を踏み出すのは、私。
私は、二人の顔を順番に見て、そして、ゆっくりと頷いた。
震える足で、一歩、また一歩と、田中さんのいる部屋の中へ。
私たちの初めての『営業』が、今、始まろうとしていた。
しん、と静まり返った隠し部屋。
優しい笑みを浮かべる田中さんを前に、私たちはどうすればいいのかわからず、ただ突っ立っていた。私たちの目的は決まっている。でも、それをどう切り出せばいいのか。
そんな私たちの戸惑いを見透かしたように、田中さんは壁から身を起こし、私たちに一歩、近づいた。
「それで、お嬢ちゃんたちは何をご希望かな? CP稼ぎ? それとも、ただ気持ちよくなりたいだけ?」
そのあまりにも直接的な問いかけに、私の肩がびくりと震える。
やっぱり、彼は全部わかっているんだ。私たちが、何をしにここへ来たのか。
「りょ、両方ですっ!」
最初に沈黙を破ったのは、ひまりだった。彼女は頬を少し赤らめながらも、はっきりと答えた。
「CPも欲しいし……その、気持ちよくも……なりたい、です」
「うんうん、正直でよろしい」
田中さんはにこやかに頷くと、今度はゆいの方を見た。
「ちなみに、どのような『交流』で、どれくらいの報酬が期待できますか?」
ゆいは、あくまでも冷静に、まるでビジネスの交渉でもするように尋ねる。
すると田中さんは「そうだねえ」と少しだけ考える素振りを見せた。
「初めての子には、まず俺のチンポをお口で綺麗にしてもらうことからかな。それで500CP。ちゃんと俺を満足させられたら、その後、本番のセックス。膣内射精(なかだし)までいけば、さらに1000CPってとこかな」
お口で……綺麗に……。
その言葉の意味を理解した瞬間、私の顔からサッと血の気が引いた。フェラチオのことだ。
「じゃあ……」
田中さんは、にこりとした笑顔のまま、まっすぐに私を見つめた。
「まず、君からにしようか。一番、緊張してるみたいだから。俺が優しく、このゲームの『楽しさ』を、一から教えてあげるよ」
「え……わ、私から……!?」
ひまりとゆいの視線が、私に突き刺さる。
断るなんて、できない。だって、そのためにここへ来たんだから。
私は、観念して、小さくこくりと頷いた。
「……はい」
「うん、いい子だ」
田中さんは満足そうに頷くと、部屋の隅にあったパイプ椅子にどかりと腰掛け、そして、おもむろに自分のスーツのチャックを下ろし始めた。
目の前で、あの路地裏で見たのと同じような、でもどこか違う、生々しい男の人のチンポが姿を現す。
「さあ、おいで。怖がらなくていいから」
手招きされて、私はおそるおそる田中さんの前に進み出る。そして、言われるがままに、その場に膝をついた。
目の前には、熱気を放つ巨大な肉の棒。
ごくり、と喉が鳴る。
「まずは、舐めてごらん。アイスキャンディーみたいにさ」
言われた通りに、恐る恐る舌を伸ばす。ぺろり、と亀頭の先端を舐めると、少ししょっぱい味がした。
「ん……っ」
田中さんが、小さく息を漏らす。その反応に、私の胸がなぜかきゅんとした。
男の人を、私の口で、喜ばせてる……。
その事実に、羞恥心と、そして言いようのない興奮がこみ上げてくる。
「上手だよ。じゃあ、次はお口の中に、全部含んでみて」
私は、意を決して、大きく口を開けた。
そして、熱く硬いそれを、ゆっくりと、喉の奥まで迎え入れていく。
「んぐっ……! んむ、む……っ!」
口の中が、彼のチンポでいっぱいに満たされる。苦しくて、涙目になる。
でも、田中さんが私の頭を優しく撫でてくれると、不思議と体から力が抜けて、もっと深く、彼を受け入れることができた。
私の口の中で、彼のチンポが、さらに硬く、熱くなっていくのがわかった。
それに応えるように、私ももっと彼を喜ばせたくて、必死に舌と唇を動かした。
もう、ここには、恥ずかしがり屋の天野きららはいない。
ただ、男の人を悦ばせることに夢中になる、一人の『メス』がいるだけだった。
「んぐ、ふぅ……っ、ん、ちゅ……♥」
私の口の中で、田中さんのチンポがさらに熱を帯びていく。ただただ無我夢中で奉仕する私に、田中さんは満足そうに息をつきながら、私の頭を優しく撫でた。
「うん、上手だよ、きららちゃん。でも、もっと気持ちよくなれるやり方があるんだ」
その優しい声に、私は顔を上げる。彼の穏やかな瞳が、私をまっすぐに見つめていた。
「それに、君たちがどのくらい『できる』かで、俺が紹介できる知人も変わってくるからね。頑張ってみるといい」
その言葉は、静かだったけれど、ずしり、と重く私の心に響いた。
紹介できる知人が、変わってくる……。
つまり、これは、ただの『交流』じゃない。私たちの『腕前』が試される、試験なんだ。
その瞬間、私の頭の中で、何かのスイッチが切り替わった。
さっきまでの羞恥心や、おそるおそる奉仕する気持ちが、すっと消えていく。代わりに、胸の奥から燃えるような熱い何かがこみ上げてきた。
(もっと……上手くならなきゃ……!)
ひまりとゆいのためにも。
もっとたくさんCPをくれる、いい人を紹介してもらうためには、私がここで、最高の『サービス』をしなきゃいけないんだ!
私は、もう一度、彼のチンポを深く口に含んだ。
今度は、ただ受け入れるだけじゃない。舌を絡め、唇を巧みに動かし、時々、ちらりと上目遣いで彼の表情を窺う。彼が「んっ……!」と息をのむたびに、私の心は達成感で満たされた。
そんな私の変化を、後ろで見ていたひまりとゆいも敏感に感じ取っていた。
「きらら……本気だ……。すごい……」
ひまりは、ごくりと喉を鳴らし、ぎゅっと拳を握りしめている。その瞳には、ライバル心と、自分も早く試したいという期待の色が浮かんでいた。
「なるほど……。性的スキルレベルのような隠しパラメータが存在し、奉仕の質が、今後のクエストの分岐条件になっているわけか。だとしたら、全力で取り組むのが最適解……」
ゆいは、冷静に呟きながらも、その分析はすでに次なる自分の番へのシミュレーションを始めているようだった。
私たちの間に、不思議な連帯感と、そして健全とは言い難い競争心が芽生えていた。
もはや、これはただの金策じゃない。
私たちの実力を示し、この倒錯したゲームを勝ち抜いていくための、最初の関門。
「っ……はは、すごいな、きららちゃん……! 初めてとは、思えないよ……っ!」
私の懸命な奉仕に、ついに田中さんの理性が限界を超えた。
彼は私の頭をぐっと引き寄せ、私の口の中で、熱い欲望のすべてを迸らせた。
「んんんーっっ!!♥♥」
ごく、ごく、と彼の精液をすべて飲み干すと、目の前にシステムメッセージが浮かび上がる。
[【スペシャルインタラクション】を完了しました!]
[報酬として 500CP を獲得しました!]
[NPC'田中'との親密度が上昇しました!]
「うん、文句なしの合格だ。君なら、俺のいい知り合いを紹介してあげられそうだ」
田中さんは、満足げに笑ってそう言った。
そして、彼はまだ興奮冷めやらぬ顔で、私の後ろに控える二人へと視線を移す。
「さて……君たちの『気合い』も、見せてもらおうかな?」
その言葉に、ひまりは「はいっ!」と元気よく返事をして、私の隣に膝をついた。
その瞳は、獲物を前にした肉食獣のように、爛々と輝いていた。
「はいっ! 次は私、日向ひまりが、田中さんをめちゃくちゃ気持ちよくさせちゃいますっ!」
ひまりは満面の笑みでそう宣言すると、慣れた様子で私の隣にちょこんと膝をついた。その姿には、もう何の迷いも、恥じらいさえも感じられない。
「きららに負けないくらい、すごいの見せますからね♥ 覚悟してください!」
そう言うと、ひまりはまるで宝物でも扱うかのように、田中さんのまだ火照ったチンポを両手で優しく包み込んだ。そして、ちゅ、とリップ音を立てて、先端にキスをする。
「んんっ……!?」
田中さんが、不意打ちに驚きの声を上げた。
ひまりのサービスは、私とは全然違った。私の奉仕が、おそるおそる、手探りのものだったとすれば、ひまりのそれは、大胆で、積極的で、そしてどこまでも楽しそうだった。
「ん……ちゅぱ……じゅるっ……♥」
ひまりは、巧みに舌を使いながら、時折、手で根元から扱いてあげる。まるで、どうすれば男の人が喜ぶのか、すべてを知り尽くしているかのように。
本当は、私たちと同じで、こんなの初めてのはずなのに。
「おっと……こいつは、積極的だな……!♥」
田中さんの息が荒くなっていく。彼の顔は、さっきよりもずっと赤く、快感に蕩けているのがわかった。
ひまりは、そんな彼の表情を見て、さらに楽しそうに、そして挑発的に笑う。
「ふふ……♥ どうですか、田中さん? 私の『お口』は、きららのより気持ちいいですか……?♥」
なんてことを言うの、ひまり!
私は自分のことのように顔が熱くなったけれど、ひまり自身は少しも悪びれる様子がない。むしろ、もっと田中さんを喜ばせて、きららに勝ちたい、という競争心が彼女を突き動かしているようだった。
「す……ごい……。日向さんのアプローチは、天野さんとは対照的に攻撃的。手数と情熱で評価点を稼ぐタイプか……。参考になる」
隣で、ゆいが冷静に呟いているけれど、その握りしめられた拳は、彼女もまた、この異様な状況に興奮していることを示していた。
やがて、ひまりの献身的で、そして激しい奉仕に、田中さんはもう耐えきれなくなった。
「う、おおっ……! ひまりちゃん、もう、ダメだ……! また、イッちまう……!」
ひまりは、彼の言葉を聞くと、最後の仕上げとばかりに、さらに深く、激しく、彼のチンポをしゃぶり上げた。
そして、私の時と同じように、田中さんはひまりの口の中で、二度目の絶頂を迎えた。
「んっ、んん〜〜〜〜っ♥♥♥」
すべてを飲み干したひまりが顔を上げると、その口元はてらてらと濡れていて、瞳は達成感でキラキラと輝いていた。
もちろん、彼女の目の前にも、CP獲得のメッセージが浮かび上がっている。
「はぁ……はぁ……。君も、すごいな……。甲乙つけがたい。二人とも、文句なしの合格だ」
田中さんは、ぐったりと椅子にもたれかかりながら、感心したように言った。
そして、彼は最後の力を振り絞るように、今まで静かに私たちの様子を観察していた、最後の一人――ゆいへと、その視線を向けた。
「さて……。残るは、君だけだね。クールなお嬢ちゃんは、俺をどんな風に『楽しませて』くれるのかな?」
その言葉に、ゆいはすっと立ち上がった。
彼女は、いつも通りの涼しい顔で、乱れた私の服装と、まだ口元を拭ってもいないひまりの顔を順番に見る。
そして、ふっと、本当にわずかに、その口の端を吊り上げた。
「お見せしましょう。最も効率的で、合理的な、絶頂(オーガズム)への最適解を」
そう言って、ゆいは静かに、田中さんの前に、膝をついた。
彼女の戦いが、今、始まろうとしていた。
「お見せしましょう。最も効率的で、合理的な、絶頂(オーガズム)への最適解を」
静かな宣言と共に、ゆいは田中さんの前に膝をついた。
彼女は、ひまりのようにすぐに食らいつくことはしない。まず、じっと、まるで研究対象でも観察するかのように、まだひまりの奉仕の余韻で濡れている田中さんのチンポを見つめた。
「……先行被験者二名のデータから、対象オブジェクトの性感帯は亀頭冠周辺及び裏筋に集中していると推測。初期アプローチとして、舌部による同箇所の重点的な刺激が、最も効率的に興奮値を上昇させると仮説を立てる」
ぶつぶつと、誰に言うでもなく分析を口にするゆい。
そして、彼女は仮説を証明するための実験を開始した。
ぺろり、と猫のように小さく舌を出すと、チンポの裏筋を、下から上へと、ゆっくりと、しかし的確になぞり上げる。
「んぅううっ!?」
田中さんの体が、今までで一番大きく跳ねた。
それは、情熱的なひまりの奉仕とも、一生懸命な私の奉仕とも違う。まるで、ピンポイントで急所を的確に狙い撃ちするかのような、あまりにも正確な刺激。
「な……なんだ、この的確な刺激は……! 今まで感じたことのない……!」
田中さんが驚愕の声を上げる。
ゆいは、彼の反応を見て「……仮説は正しかった、か」と小さく頷くと、さらに攻撃の手を強めた。
舌で裏筋を何度も何度もなぶりあげ、指先で竿の部分を優しく扱き、時折、先端の穴を舌先でつん、と突く。一切の無駄がなく、計算され尽くした動き。それはもはや奉仕というより、精密機械が行う官能的な施術のようだった。
「ひぃっ、あ、あ、あ……!♥ ダメだ、これ、は……! 今までの比じゃ、な……!」
田中さんはもう、何を言っているのかわからないくらい、快感に溺れている。
そんな彼を見て、ゆいの頬も、ほんのりと赤く染まっていた。彼女の呼吸も、少しずつ荒くなっている。どれだけ冷静を装っていても、目の前で男の人が自分の口で乱れていく光景は、彼女の体をも確実に蝕んでいた。
「すごい……ゆいちゃん、すごすぎる……」
「なんか、エロいっていうか……もはや芸術だね……」
私とひまりは、ただただ息をのんで、親友の圧倒的な『技術』を見つめることしかできなかった。
そして、ついに、その瞬間が訪れる。
「あ、あ、あ゛、あ゛─────────っ゛!!!! イッぐぅううううううっっ!!!!」
田中さんは、この日一番の絶叫を上げ、白目を剥いて天を仰いだ。ゆいの完璧な『施術』は、彼の理性を完全に吹き飛ばし、骨の髄まで蕩かすような、最大級のオーガズムを引き出したのだ。
三度目の精液が、ゆいの口の中へと、勢いよく注ぎ込まれていく。
[【スペシャルインタラクション】を完了しました!]
[TECHNICAL BONUS! 報酬として 700CP を獲得しました!]
[NPC'田中'との親密度がMAXになりました!]
「……成功。仮説通りの反応。オーガズム誘発までの所要時間、先行被験者二名より15%短縮。CPにもボーナスを確認。これが、最適解」
ゆいは、満足げにそう呟くと、何事もなかったかのようにすっと立ち上がった。
椅子の上で、田中さんは放心状態でぐったりとしている。
しばらくして、ようやく我に返った彼は、どこか畏怖の念さえ含んだ目で私たち三人を見つめた。
「……はは。参った。完敗だ。君たち三人なら、文句なしだ。……俺のとっておきの知り合いを、紹介してやろう」
彼はそう言うと、よろよろと端末を操作し、私たちのメニューに一通のメッセージを送ってきた。
そこには、一人の男の名前と、彼の主な出現場所である、とあるダンジョンの名前が記されていた。
田中さんよりも、ずっと格上の戦闘員。
そして、一度の『交流』で得られるCPも、桁違いだと、メッセージには添えられていた。
私たちは、ついに、次のステップへの扉を開いたのだ。
この倒錯した世界で、さらに深く、快楽と報酬の渦へと堕ちていくための、新たな扉を。
田中さんからのメッセージを受け取った私たちは、興奮冷めやらぬまま、花丸坂下水道を後にした。
薄暗いダンジョンから這い出て、再びラウンジの光溢れる空中庭園に戻ってくると、まるで長い夢から覚めたような気分だった。
「見た!? 今のメッセージ! 次の相手、田中さんの上司なんだって!」
「うん。報酬も、田中さんの三倍以上……。これは、やる価値がある」
ひまりとゆいが、次の『任務』にすっかり色めき立っている。
逸る気持ちは、私だってもちろん同じだ。
あの、田中さんのたくましい体。私の口の中をいっぱいにした、熱いチンポ。最後に注ぎ込まれた、濃厚な精液の味……。
思い出すだけで、体の奥がずくん、と疼く。
もっと知りたい。もっと、めちゃくちゃにされたい。あの快感に、もう一度、溺れたい。
「よし、じゃあ早速、この人に会いに行こっか!」
私がそう口にしかけた、その時だった。
「待って」
ゆいが、私たちの目の前に、そっと時計を表示させた。そこには、私たちの累計ログイン時間が表示されている。
「……うそ、もうこんな時間!?」
ゲームに夢中になっていて気づかなかったけれど、私たちはもう、かなりの時間この世界にダイブしていた。現実の世界では、とっくに日付が変わって、深夜になっている頃だろう。
「VRへの長時間ダイブは、精神に予期せぬ負荷をかける。運営も、適度な休憩を推奨している。それに、明日は学校だ」
ゆいの冷静な言葉に、私たちははっと我に返る。
「えーっ! 今一番いいところなのにー!」
「でも……なんだか、すごく疲れちゃった……」
ひまりが唇を尖らせ、私は正直な気持ちを口にする。
心はあんなに高揚しているのに、体は、特に腰のあたりが、ずしりと重い。まるで、本当に激しい運動をした後みたいに。
「……そうだね。今日は、この辺にしておこうか」
名残惜しい気持ちをぐっと飲み込んで、私が言うと、ひまりも渋々といった様子で頷いた。
「わかったよ……。でも、明日、学校終わったら、ソッコーで集合だからね!」
「もちろん」
「うん」
私たちは、三人だけの秘密の部屋、『マイ・クローゼット』に戻り、そこでログアウトすることにした。
ソファに座り、メニューから『ログアウト』を選択する。
『10秒後にログアウトします。9、8、7……』
カウントダウンが、やけにゆっくりと進む。
また明日ね、と手を振り合う親友たちの姿が、だんだんと薄れていく。
そして。
「……ん」
意識が、自分の体に戻ってくる。
ひんやりとしたシーツの感触。自分の部屋の、見慣れた天井。
私は、VRゴーグルを外し、ゆっくりと身を起こした。
体はじっとりと汗ばんでいて、足の間が、なんだか熱っぽい。
お母さんに言われて敷いた防水シーツが、少しだけ湿っているのがわかった。ゲームの中での絶頂が、現実の私の体にも、確かに影響を及ぼしているのだ。
私は、ぼーっとした頭で、今日の出来事を反芻する。
エンダークの戦闘員に陵辱されたこと。
田中さんと出会って、初めて自分の意思で奉仕したこと。
そして、新しく得た、次なる『お客様』の情報。
明日は、どんな快感が、私たちを待っているんだろう。
逸る気持ちを胸に抱きしめながら、私は、この倒錯した冒険の続きを夢見て、ゆっくりと目を閉じた。
翌朝、携帯のアラームが鳴り響く中、私は重たい体を無理やり起こした。
なんだか、いつもよりずっと体がだるい。特に、腰のあたりが気怠く、脚の付け根がじんわりと熱を持っているような感覚が残っている。昨日の夜、あのゲームの中で体験した出来事が、ただの夢ではなかったことを物語っていた。
制服に着替え、鏡の前に立つ。
そこに映っているのは、いつも通りの私、天野きららのはずだった。
でも、なぜか、少しだけ違って見える。気のせいだろうか。目の潤みが、いつもより増しているような。頬の赤みが、普段より濃いような……。
まるで、誰にも言えない秘密を抱えた、いやらしい『女の子』の顔をしているみたいで、私は慌てて視線を逸らした。
学校へ向かう道すがら、ひまりとゆいに合流する。
「おはよー、きらら! 昨日はよく眠れた?」
ひまりが、にこにこと意味ありげな笑顔で聞いてくる。
「う、うん、まあまあ……」
「そう? 私は興奮しちゃって、なかなか寝付けなかったよ! 次の相手のこと考えたら、なんか、ね?」
「日向さん。学校でその話は控えた方がいい。……ただ、次のターゲットの行動パターンについては、昨晩のうちに調査を完了しておいた。放課後、最も効率的に接触できるルートを共有する」
ゆいが、スマホの画面をちらりと見せながら、淡々と言う。
私たちは、もう三人だけの秘密の共犯者だった。
教室の席に着いても、授業の内容なんてまったく頭に入ってこない。
先生が黒板に数式を書き連ねる音も、クラスメイトたちの声も、どこか遠くに聞こえる。
私の頭の中は、昨日のことでいっぱいだった。
田中さんの、硬くて熱いチンポの感触。
ひまりの、大胆な奉仕の姿。
ゆいの、正確無比なテクニック。
そして、これから出会うであろう、新しい戦闘員のこと……。
(どんな人なんだろう……。田中さんより、すごいのかな……? もっと、気持ちよくしてくれるのかな……?)
そんなことを考えていると、ふいに、足の間の奥の方が、きゅん、と疼いた。びくっと体が震え、思わず椅子の上で身じろぎしてしまう。
ダメだ。学校にいるのに。こんなこと、考えちゃ……。
でも、一度知ってしまった体は、正直だった。早く、あの世界に戻りたい。早く、あの快感に身を委ねたい。
キーンコーンカーンコーン……。
永遠に続くかと思われた授業の終わりを告げるチャイムが、ついに鳴り響いた。
その瞬間、私とひまりとゆいは、弾かれたように顔を見合わせる。
言葉は、いらない。私たちの心は、もう一つだった。
「よし、帰ろっか!」
ひまりが、満面の笑みで言った。
「今日の『宿題』、やりにね!」
私たちは、カバンを背負うのももどかしく、教室を飛び出した。
一刻も早く家に帰って、あの倒錯した冒険の続きを始めるために。
私たちの、新しい日常が、また始まろうとしていた。
「急いで、急いで!」
「わかってるって! そんなに慌てなくても、彼は逃げたりしないよ!」
学校からの帰り道、私たちはほとんど駆け足だった。
ひまりは、まるで遠足前の子供みたいに、わくわくした気持ちを隠そうともしない。
「次の相手、ヤマザキさんだっけ? どんな人かなぁ。田中さんより、おっきいのかなぁ……?」
「データによれば、出現場所は『臨海倉庫街』。 夜になるとエンダークの戦闘員やならず者たちが集まる危険地帯とされている。ただし、田中さんからの紹介状アイテムを所持しているため、こちらから敵対行動を取らない限り、初回接触時のセクシャル・コンフリクトは発生しないはず」
ゆいが、歩きながらスマホで集めた情報を読み上げる。
その言葉の一つ一つが、私の期待を煽っていく。危険地帯にいる、格上の戦闘員。そんな人に、私たちはこれから会いに行くんだ。戦うためじゃなく、もっと別の、親密な目的のために。
私の家に着くや否や、私たちはカバンを放り投げ、一目散に私の部屋へと駆け込んだ。(注:それぞれ家に帰れ)
もはや、一連の行動は、慣れた『儀式』のようだった。
ベッドの上に、当たり前のように防水シーツを広げる。昨日、おそるおそる敷いたそれが、今日はこれから始まる快楽の舞台(ステージ)に見えた。
制服のまま、三人でベッドにごろりと寝転がる。 現実の女子中学生の姿から、これから、私たちは悪の戦闘員に身を捧げる魔法少女へと変身するのだ。
「準備、いい?」
ゆいの確認に、私とひまりはこくりと頷く。
逸る気持ちを胸に、私たちは一斉にVRゴーグルを装着した。
『――プニキュアオンラインへ、ようこそ』
心地よい浮遊感と共に、意識が仮想現実へとダイブしていく。
次に目を開けた時、私たちは見慣れた自分たちの部屋――『マイ・クローゼット』の中に立っていた。
桜色の私。太陽色のひまり。月色のゆい。
昨日よりも、この魔法少女の姿が、ずっと自分にしっくりとくるような気がした。
「よし……!」
ひまりが、きゅっと拳を握りしめる。
ゆいが、目の前に次のターゲットの情報を表示させた。
【紹介ターゲット:ヤマザキ】
ランク: B+ (中級戦闘員)
主な出現場所: 臨海倉庫街・第3倉庫周辺
特記事項: 田中からの紹介状を所持しているため、初回接触は友好的。ただし、彼の『お眼鏡』にかなわなければ、その限りではない。
「お眼鏡に、かなわなかったら……」
「つまり、私たちの『腕前』次第ってことだね! よーし、燃えてきたー!」
ひまりは、少しも怖気付いていない。むしろ、その挑戦的な言葉に、さらに闘志を燃やしているようだった。
私も、同じ気持ちだった。
昨日よりも、もっと上手に。もっと、大胆に。
彼を、めちゃくちゃに気持ちよくさせて、私たちの実力を、認めさせてみせる。
「それじゃあ、行こうか!」
私が言うと、ひまりとゆいは力強く頷いた。
私たちは、部屋に設置された転送ゲートへと向かう。
その先にあるのは、薄暗くて危険な、臨海倉庫街。
そして、私たちの新しい『お客様』が、待っている。
最高の『ご挨拶』をするために。
私たちは、迷いなく、新たな戦場(ベッド)へと足を踏み出した。
転送ゲートをくぐり抜けた瞬間、私たちの体を包んだのは、ひんやりとした潮の香りと、錆びた鉄の匂いだった。
「ここが……臨海倉庫街……」
目の前に広がっているのは、巨大な倉庫と、天高く積まれたコンテナが迷路のように入り組んだ、だだっ広い港湾地区だった。遠くで船の汽笛が鳴り響き、等間隔に並んだオレンジ色のナトリウムランプが、私たちの足元に長い影を落としている。
明るく賑やかだったラウンジとは正反対の、無機質で、どこか危険な空気。ここが悪の組織エンダークの戦闘員たちの縄張りなのだと、肌で感じ取れた。
「……気をつけて。いつ、他の戦闘員に襲われるかわからない」
ゆいが、周囲を警戒しながら小声で言う。
私たちは、物陰に隠れるようにしながら、息を潜めて目的地へと向かった。
目指すは、第3倉庫。私たちの新しいお客様――ヤマザキさんがいるはずの場所だ。
やがて、側面に大きく『3』と書かれた、ひときわ巨大な倉庫が見えてきた。
そして、その入り口のシャッターに寄りかかるようにして、一人の男が立っていた。
田中さんとは、明らかに雰囲気が違う。
背が高く、がっしりとした体つき。エンダークのスーツを、隙なく着こなしている。手にはタバコが挟まれていて、紫の煙を夜空へと静かに吐き出していた。鋭い目が、港の暗闇をじっと見つめている。
あれが、ヤマザキさん……。格上の、B+ランクの戦闘員。
「……どうしよう。なんだか、怖そうだよ」
私が思わず呟くと、ひまりも「うん……田中さんとは全然違うタイプだね」とごくりと喉を鳴らした。
それでも、私たちはここまで来たのだ。後には引けない。
私は、決意を固めて、三人の中から一歩、前に出た。
「あ、あの……!」
私の声に、男――ヤマザキさんが、ゆっくりとこちらを振り向く。
その鋭い視線が私を射抜き、心臓がどきりと音を立てた。
「……ヤマザキさん、でしょうか? 田中さんの、紹介で、来ました……!」
私は、震える手で、アイテム欄から『田中からの紹介状』を取り出して見せる。
ヤマザキさんは、私の手にあるそれに一瞥をくれると、ふん、と鼻で笑った。
「ああ、田中からの連絡は受けている。お前たちがそうか」
彼は、品定めをするように、私たちの頭の先からつま先までを、じろりと眺めた。
「見たところ、まだプニキュアになりたての雛鳥同然だな。本当に、俺を『満足』させられるのか?」
その言葉には、田中さんのような優しさは欠片もなかった。あるのは、私たちの価値を値踏みするような、冷たい好奇心だけ。
彼は、吸っていたタバコを地面に投げ捨てると、足で踏み消した。
「まあ、いい。せっかく来たんだ。俺の『おもちゃ』になれるかどうか、試してやる」
ヤマザキさんはそう言うと、私たちに背を向け、巨大な倉庫のシャッターを、ガラガラと重い音を立てて開け始めた。
暗く、がらんどうの倉庫の中へと、私たちを誘うように。
「田中は甘いからな。俺の『お眼鏡』にかなうかどうかは、お前たちの『覚悟』次第だ」
彼は、暗闇の中から、私たちを振り返って、にやりと笑った。
「さて、まずは誰から俺を満足させてくれる? それとも、三人まとめて、同時に俺の『おもちゃ』になりたいか?」
挑戦的な、その問いかけ。
薄暗い倉庫の闇が、まるで巨大な獣の口のように見えた。
私たちは、ごくりと唾を飲み込み、その獣の口の中へと、吸い込まれるように足を踏み入れる。
田中さんとの優しい『交流』とは違う、もっとハードで、危険なゲームが、今、始まろうとしていた。
ヤマザキさんの挑戦的な問いかけに、倉庫の空気は張り詰めた。
私とゆいは、どう答えるべきかわからず、ただゴクリと喉を鳴らす。
その沈黙を破ったのは、やはり、ひまりだった。
「三人まとめて、です!」
彼女は、一歩も引かずにヤマザキさんをまっすぐに見つめ、言い放った。
「私たち三人なら、ヤマザキさん一人、満足させることなんて、簡単ですから!」
そのあまりに大胆不敵な宣言に、私は「ひ、ひまり!?」と小声で悲鳴を上げた。三人同時なんて、そんなの、どうすればいいのか、想像もつかない。
でも、ゆいは違った。
「……なるほど。複数人での同時奉仕。それが、このランクにおける『テスト』というわけですか。面白い。試してみる価値はありますね」
ゆいは、この状況ですら、ゲームの攻略要素として分析している。その言葉には、恐怖よりも、知的な好奇心が満ちているようだった。
私たちの返答を聞いて、ヤマザキさんは、初めて愉快そうに口の端を吊り上げた。
「ほう……面白い。その威勢の良さ、気に入った。ならば、その言葉通り、お前たち三人の『実力』、同時に見せてもらおうか」
彼は、倉庫の中央に積まれた木箱の上に、どかりと腰を下ろす。そして、王様が家来に命じるように、私たちに言った。
「まずは、その邪魔な服を脱げ。話はそれからだ」
ひ……っ!
服を、脱ぐ……。
田中さんの時は、最後まで服を着たままだった。でも、この人は違う。私たちの裸を、最初から要求している。
戸惑う私をよそに、ひまりは「望むところです!」と威勢よく言うと、自分のオレンジ色のプニキュア衣装に手をかけた。それに続いて、ゆいも淡々と服を脱ぎ始める。
もう、私だけが恥ずかしがっているわけにはいかない。
私は、震える指で、自分の桜色の衣装のフリルを解いていった。一枚、また一枚と、魔法の衣がはだけていく。
やがて、私たちは三人とも、生まれたままの姿で、ヤマザキさんの前に並んで立つことになった。
薄暗い倉庫の明かりが、私たちのまだ幼い裸体を、いやらしく照らし出す。
「ふむ……。悪くない体つきだ」
ヤマザキさんは満足げに頷くと、私たちを手招きした。
「さあ、始めろ。どうやって俺を喜ばせるか、お前たちで考えろ」
私たちは、顔を見合わせる。そして、アイコンタクトだけで、瞬時に自分の役割を理解した。
最初に動いたのは、やはりひまりだった。彼女は、ヤマザキさんの股間にひざまずくと、躊躇なくその硬い膨らみをスーツの上から愛撫し始めた。
ゆいは、彼の背後に回り込み、スーツ越しにその広い背中や肩を、マッサージするように揉みほぐしていく。
そして、私は……。
私は、彼の正面に立ち、その胸板にそっと手を添え、おそるおそる、彼の唇に自分の唇を重ねた。
「ん……っ」
初めての、男の人とのキス。
タバコの匂いが混じった、大人の味がした。
私のキスを皮切りに、ひまりは彼のチャックを下ろし、解放されたチンポを口に含んだ。ゆいは、首筋や耳の後ろといった、男の人の性感帯を的確に攻め始める。
「く……っ、はは……! なるほど、これが、お前たちのやり方か……!」
ヤマザキさんの体から、荒い息が漏れ始める。
三方向からの、まったく違う種類の快感。
ひまりの大胆な奉仕、ゆいの的確な愛撫、そして私の、初心で懸命なキス。
私たちの共同作業は、確実に、この格上の戦闘員の理性を蝕んでいった。
やがて、彼はもう座っていることに耐えられなくなったのか、ぐっと腰を上げた。そして、私の体を引き寄せ、ひまりの頭を掴む。
「いいだろう、お前たちの覚悟はわかった……!」
彼の瞳が、獣のようなギラついた光を放つ。
「……今度は、俺がお前たちを『可愛がって』やる番だ」
その言葉を合図に、私たちの体は、木箱の上に無造作に押し倒された。
これから始まる、本当の『テスト』。
私たちの体は、このたった一人の男によって、同時に、そして徹底的に、快楽のどん底へと堕とされていくのだ。
木箱の上に乱暴に押し倒され、硬い木の板が背中に当たって、私は小さく息をのんだ。
ヤマザキさんは、獣のような瞳で私たちを見下ろすと、まず私の足を取って、無防備に大きく開かせた。
「ひ……っ!?」
そして、私の隣に転がされたひまりとゆいに、命令を下す。
「オレンジ、お前は俺の顔から胸まで、綺麗に舐めろ。そっちのクールなのは、俺のタマを可愛がってやれ。いいか、俺がイくまで、止めさせるなよ」
二人は「はい……っ♥」と上ずった声で返事をすると、命令通り、彼の体にまとわりついていく。
ひまりが、恍惚とした表情で彼の汗ばんだ胸板を舐め上げ、ゆいは、彼の股間に回り込むと、二つ垂れ下がった実を、まるで貴重な宝石でも鑑定するかのように、指先で丁寧に転がし始めた。
そして、私の体には、彼のそれが。
田中さんのものよりも一回りも二回りも太く、熱く硬くなったチンポが、私の濡れた入り口に宛がわれる。
「さて、雛鳥。お前の膣(あな)は、俺のチンポを受け止めきれるかな?」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、彼は一切の躊躇なく、腰を沈めてきた。
「いぎゃっ!?♥♥♥ んんんんんっっ!!!!♥♥」
裂けるような感覚と、内臓を押し上げられるような圧迫感。狭い膣が、無理やりこじ開けられ、彼の巨大なチンポがずぶりずぶりと奥まで侵入してくる。
隣ではひまりが喘ぎ、股下ではゆいが奉仕している。
一人の男の人を、私たち三人で、同時に悦ばせている。
その、あまりにも倒錯しきった状況が、私の理性をぐちゃぐちゃにかき乱していく。
「はっ……! どうした、もうイくのか? まだ入れて揺すってもいねえぞ?」
ヤマザキさんは、私の中でぎゅうぎゅうに膨れ上がったチンポを、ぐり、と一回転させた。
「あ゛、あ゛、あ゛、あ゛んっ、あ゛─────────っ゛♥♥♥」
子宮の入り口を直接えぐられるような、鋭い快感。それだけで、私の体はびくんびくんと痙攣し、一度目の中イキを無理やり迎えさせられてしまった。
だが、ヤマザキさんは、そんな私にお構いなしに、激しいピストンを始めた。
『ぱんっ♥ ぱんっ♥ ぱんっ♥ ぱんっ♥』
「ひぃっ、あ、あ、まって……♥ もう、むり、だから……!♥♥」
激しい突き上げに、私の体は木箱の上で跳ねるだけのおもちゃと化す。
しばらく私の体で欲望を発散させた後、ヤマザキさんは名残惜しそうにチンポを引き抜くと、今度はすぐ隣で彼の胸を舐めていたひまりの上に、乱暴に覆いかぶさった。
「ひゃああんっ!?♥ つ、つぎは、わたし……!?♥」
「ああ、そうだ。お前のその威勢のいいマンコは、どんな風に啼くんだ?」
彼は、今しがたまで私を貫いていた、ぬるぬるのチンポを、今度はひまりの膣穴へと突き立てる。
そして、絶頂の余韻でぐったりしている私に、新たな命令を下した。
「おい、そこの桜色。ぼさっとしてるんじゃねえ。今度は、お前が俺のタマを可愛がれ。そっちのクールなのと、どっちが上手いか、比べてやる」
比べられる……。
ゆいちゃんと、私が……。
その言葉は、私の体に残っていた倦怠感を吹き飛ばし、新たな炎を灯した。
負けたくない。ゆいちゃんよりも、ひまりよりも、私が一番だって、この人に認めさせたい。
私は、朦朧とする意識の中、よろよろと彼の股間へと這っていく。
ゆいと並んで、彼の二つの実を、片方ずつ、口に含んだ。
私たちの、二人がかりの奉仕。そして、ひまりの体を激しく貫くピストン。
倉庫の中には、四人の喘ぎ声と、卑猥な水音だけが、狂ったように響き渡っていた。
ゆいちゃんと、私。
どっちが上手いか、比べられる。
その事実に、私の体は羞恥よりも、燃え上がるような闘争心で満たされた。
負けたくない。クールなゆいちゃんに、私だって、すごいって思わせたい。
私は、田中さんの時よりもずっと大胆に、彼の熱い玉袋をしゃぶり尽くす。一つを口に含んで、舌でころころと転がし、もう片方を指で優しく揉みしだく。
隣のゆいちゃんは、相変わらず冷静だった。彼女は、体温の変化を利用しているのか、はぁーっと温かい息を吹きかけたかと思うと、唇で冷たく吸い上げる。その緩急をつけた刺激に、ヤマザキさんの腰がびくん、と大きく跳ねた。
「ほう……そっちのクールな方が、少しリードか……? ピンク、負けてるぞ」
くやしい……!
ヤマザキさんの言葉に、私はさらにむきになって彼のタマに吸い付いた。
私たちの頭上では、ひまりが激しく突き上げられ、狂ったような喘ぎ声を上げ続けている。
「あ゛、あ゛んっ、んっ、いぐ、いっちゃうぅううっ!♥ ヤマザキさんの、おっきいチンポで……おまんこ、こわれりゅうううううっ!♥♥♥」
私たちの競い合うような奉仕と、ひまりの絶頂に近い喘ぎ声。
三方向からの快感の波状攻撃に、ついにヤマザキさんの巨体が大きくしなった。
「ぐ、おおおおおっ……! てめえら……最高だぜ……!」
彼は、ひまりの体を突き上げる腰の動きをさらに速めながら、私たちの頭を両手で鷲掴みにする。
そして、ひまりの甲高い絶頂の叫びと、彼の野太い雄叫びが、倉庫の中に同時に響き渡った。
「「いぎゃあああああああああああああああっっっ!!!!♥♥♥♥」」
ヤマザキさんは、ひまりの子宮の奥深くに、一度目の精液をたっぷりと注ぎ込んだ。
同時に、私たちの口の中にも、先走りの汁がじゅわりと広がる。
「はぁ……はぁ……っ」
ひまりは、白目を剥いてぐったりと木箱の上に沈み、もうぴくりとも動かない。
ヤマザキさんは、満足げに彼女の体からチンポを引き抜くと、そのぬらぬらと濡れた凶器を、まだ息を整えている私たちの目の前に突き出した。
そして、彼は、私の隣で冷静に奉仕を続けていた、ゆいのアゴをくいっと持ち上げた。
「さて、『最適解』のお嬢ちゃん」
彼の瞳は、獲物を前にした獣のように、ギラギラと輝いていた。
「お前のそのマンコは、俺にどんなデータを見せてくれるんだ? 教えてくれよ」
ゆいは、彼の言葉に、初めて表情を揺らがせた。
ほんの少しだけ、その頬が赤く染まっている。
ヤマザキさんは、そんな彼女の体を軽々と抱き上げると、今度は彼女を木箱の上に仰向けに寝かせた。
そして、私と、まだ息も絶え絶えのひまりに、最後の命令を下す。
「お前たちは、そこでキスでもしてろ。このクールなお嬢ちゃんが、どんな風に俺に啼かされるのか、特等席で見せてやるからよ」
命令されるがままに、私はひまりの唇に、自分の唇を重ねる。
目の前で、親友が、これからめちゃくちゃにされようとしている。
その背徳的な光景を、別の親友とキスしながら見せつけられる。
もう、めちゃくちゃだ。
でも、そのめちゃくちゃな状況が、どうしようもなく、興奮した。
ヤマザキさんの巨大なチンポが、ゆいのまだ狭い入り口に、ゆっくりと沈められていく。
クールな親友の、初めて聞くことになるであろう喘ぎ声に、私の耳は、期待で熱くなっていた。
「ん……っく……!」
私の唇のすぐそばで、ひまりが小さく呻く。私たちの目の前で、ヤマザキさんの巨体が、ゆっくりと、しかし確実に、ゆいの体をこじ開けていく。
ゆいは、唇を固く引き結び、必死に声をこらえていた。その額には汗が滲み、木箱を掴む指先が白くなるほど力が入っている。いつも冷静な彼女が、これほど感情を露わにしているのを、私は初めて見た。
「ほう……大した根性だな。だが、いつまでその澄ました顔でいられるかな?」
ヤマザキさんは、楽しそうに笑うと、ゆいの中でゆっくりと腰を揺らし始めた。
その動きは、粘っこく、そして執拗だった。まるで、彼女の体の中にある『一番感じるところ』を探るかのように。
「あ……ぅ……っ」
やがて、ヤマザキさんの亀頭が、ある一点を『ぐりっ』と強く擦り上げた。
その瞬間、ゆいの体が、びくん!と大きく弓なりに反った。
「ひぅっ!?」
今まで聞いたこともないような、悲鳴に近い甘い声。
ヤマザキさんは、にやりと笑い、その一点だけを、集中的に、そして容赦なく突き始めた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ……っっ!!!!♥♥♥」
もう、ゆいは声も、体も、抑えることができなかった。
その体は快感の波に翻弄される小舟のように激しく揺れ、その口からは、理性の欠片もない、ただただ甘い喘ぎ声が途切れなく漏れ続ける。
「だ、め……っ、こんな……こんな快感データ、入力、されたら……!♥ わ、わたしの……ロジックが……思考回路が……こわれ、ちゃううううううっっ!!!♥♥♥」
最適解を導き出すはずの、彼女の脳(コンピュータ)は、完全に快感という名のウイルスに侵され、システムダウンを起こしていた。
彼女のその無様な、しかしどうしようもなく扇情的な姿に、見ているだけの私とひまりの体も、再び熱を帯び始める。
「ゆいちゃんが……あんな声で……♥」
「ん……っ、すごい……♥」
私たちの唇は、いつの間にか、互いの唾液でぐしょぐしょに濡れていた。
「啼けよ、お嬢ちゃん! お前のその理屈っぽい頭ん中、俺のチンポでぐちゃぐちゃにして、空っぽにしてやるよ!」
ヤマザキさんの雄叫びと共に、ピストンの速度が最高潮に達する。
そして、ゆいは、それに応えるかのように、今までで一番甲高い絶叫を上げた。
「い゛ぎゃああああああああああああああっっっ!!!!!!!!♥♥♥♥♥」
全身を激しく痙攣させ、白目を剥き、がくがくと震えながら、彼女は人生で何度目かの、そして最も深い絶頂の淵へと沈んでいった。
その姿を見て、ヤマザキさんの欲望もまた、頂点に達した。
彼は、ぐったりと脱力したゆいの体にのしかかるようにして、その日の何度目かになる精液を、彼女の子宮の奥深くに、叩きつけた。
「……はぁ……はぁ……っ」
倉庫の中に、男の荒い息遣いと、三人の少女の、か細い喘ぎだけが響く。
やがて、ヤマザキさんは満足げにゆいの体から身を起こすと、汗だくで、体液にまみれた私たち三人を見下ろした。
「……合格だ。お前たち、気に入った。またいつでも、俺を『楽しませ』に来い」
彼は、そう言うと、何事もなかったかのようにスーツを着こなし、悠然と倉庫の闇の中へと消えていった。
残されたのは、ぐったりと木箱の上に重なり合う、三人の無力な魔法少女だけ。
体は、もう指一本動かせないくらいに怠かった。
でも、心は、不思議な達成感と、そして共有された快感の余韻で、満たされていた。
私たちは、この日、また一つ、この世界の深みへと堕ちた。
そして、その堕ちていく感覚が、どうしようもなく快感であることを、もう、否定することはできなかった。
ヤマザキさんとの激しい「テスト」を終えた私たちは、身も心も蕩けきった状態で、ほうほうの体で『マイ・クローゼット』へと帰還した。
木箱の上で受けた、三人同時の陵辱。肌と肌がぶつかる熱、いやらしい水音、そして、脳を焼くほどの快感の嵐。思い出すだけで、体の奥がまた、うずいてしまう。
だが、私たちの心を満たしていたのは、疲労感だけではなかった。
「私たち、あのヤマザキさんを満足させられたんだ……!」
ひまりが、ソファの上で寝転がりながら、誇らしげに言う。その声には、確かな自信が満ち溢れていた。
「データ上、三人同時奉仕という高難度タスクを完遂。獲得CP、および親密度の上昇率も、田中との単独交渉時を大幅に上回った。今回の戦略は、成功と結論付けられる」
ゆいも、満足げに分析結果を口にする。
私も、同じ気持ちだった。
怖かった。恥ずかしかった。でも、私たちは『やり遂げた』のだ。
このゲームのルールの中で、私たちの体と技術を駆使して、格上の男を屈服させ、勝利した。
その事実は、私たちの心に、今までにないほどの自信と、全能感にも似た高揚感を与えてくれた。
その日を境に、私たちにとって、『プニキュアオンライン』の世界は、まったく違って見え始めた。
再び訪れたラウンジ『ソレイユ・ガーデン』で、私たちは以前のように気圧されることなく、堂々と情報を吟味する。
ショップに並ぶアイテムの一つ一つ。
以前は「使い道がわからない」「なんだか怖い」としか思えなかった「対スライム用潤滑ローション」や「触手拘束脱出ジェル」も、今では「ダンジョン攻略の必需品」「これがあれば、もっと効率的に快感を得られる」という、極めて実用的なツールとして目に映る。
ダンジョンリストを眺めても、もう恐怖は感じなかった。
「中ボスがオークの群れだって。私たち三人がいれば、あんなの、あっという間に全員搾り取れるよね♥」
ひまりが笑う。そうだ。もう、私たちはただ犯されるだけの存在じゃない。積極的に敵を「鎮圧」し、快楽と報酬を勝ち取るための、戦闘技術を身に着けたのだ。
そして、何より、あれほどカオスで、恐ろしいだけだと思っていたイベント情報の数々。
『【警報】中年男性総スケベ化計画』
その通知を見ても、今の私たちは眉一つ動かさない。
「ドスケベクラスター……。つまり、CPのボーナスステージ、ということか」
ゆいの言葉に、私とひまりは深く頷いた。
街中に溢れる発情した男たち。それは、今の私たちにとっては、恐怖の対象ではなく、歩くATMにしか見えなかった。
私たちは、この世界の本当の価値に気づいたのだ。
ショップのアイテムは、私たちの奉仕をさらに効果的にするための武器。
ダンジョンは、私たちの技術を試し、報酬を得るための試練の場。
そして、街全体を巻き込む大規模イベントは、私たちの価値を証明し、莫大な富を得るための、最高のステージ。
あの日、何も知らずにこの世界に降り立った、か弱かった雛鳥はもういない。
私たちは、この倒錯した世界のルールに完全に馴染み、それを心から楽しむ術を覚えた。
自らの体と魅力を武器に、快感と報酬を貪り尽くす。
それこそが、私たちプニキュアの、本当の戦い方なのだと、もう、確信していた。