Director Naoko Yamada and scriptwriter Reiko Yoshida's comments for specific moments in the K-On! Movie. From the official guidebook.


吉田玲子 Reiko Yoshida 唯たち4人がゴミを捨てに行くシーンが大好きなんです。ところどころ胸がツンとするような絵が入ってきて、試写で見させてもらったときなんか、映画が始まってすぐなのにいきなり泣きそうになっちゃったんですよ。今までずーっとふざけてきたのに急にフッと空気が変わるんです。そんな「あ・・・・・・卒業するんだ」っていう感じがすごくよく出ているシーンだったと思います。特に光の具合が綺麗で、「照明さん、頑張ってるなぁ」と(笑)。


山田尚子 Naoko Yamada 唯が憂と話しながら、みかんに指を突っ込むシーンが好きなんです。第1期のBD&DVD第3巻のジャケットでは、みかんに指を突っ込んで「浮きます」って手品をしてて、第2期の番外編「訪問!」でははっさくに指を突っ込んでるんですが、あれが唯のキャラクター付けなんですね。多分ミカンを見ると指を突っ込まずにはいられないんだと思います。


吉田玲子 Reiko Yoshida シナリオ的にはAパートの終わりにはロンドンに行きたかったんです。でも『けいおん!』の世界観やキャラクターを説明するのには、どうしてもBパートの半ばまでかかっちゃいまして、結果として日本での話がロンドンの部分にはみ出しちゃいました。同じパートの中で日本とロンドンが上手く両立するのか心配でありつつも、あえて冒険してみたんですが、結果的に違和感なく映像になっていて、よかったなって思っていました。


山田尚子 Naoko Yamada 回転寿司店で演奏した後に、店の前で唯たちが並んでガックリしているシーンがいいですね。あの残念感あふれる光景がメチャクチャ好きだったりします。ロンドンの寒空と石畳の足音と、さらになんかやるせない感じとがなんか青春ムービーっぽくって(笑)。ちなみに、このあとラブクライシスと会って律のテンションが上がりますが、ああいうことは意外に現実でもあって、私もオランダで知り合いに会ったことがあります(笑)。


山田尚子 Naoko Yamada 「Unmei♪wa♪Endless」がかかっているところの音楽シーンが好きなんです。1つ1つは小さいカットばかりなんですけど、どれも彼女たちの反応が全部面白くて。唯が犬のフン入れに手を突っ込んでしまって、全力疾走でみんなを追いかけるところとか。で、ほかの4人は全力で逃げていく。仲良さそうでいいなと思って。ああいうとき、澪は先頭を走ってるんですよね。驚異の行動力です(笑)。


吉田玲子 Reiko Yoshida やっぱり印象に残るのは、最後の空港行きのタクシーの車内ですね。ここはとても好きなシーンです。あの静かに聞こえているタイヤの音も、とても良くて。何だか旅の終わりなんだなっていう感じがしみじみとしてるんですよ。それが卒業への想いと重なるっていうか・・・・・・。これまで以上に唯たちがすごいお姉さんに見えたんですよ。そんな雰囲気がすごくよかったです。


山田尚子 Naoko Yamada 教室でのライブが大好きです。ライブの準備をする段階から、空気がとってもいいんですよ。もう部室から飛び出して、3年2組のものにもなっているという感じもしてて。クラスメイトたちも物怖じせずライブに参加して、みんなで作り上げようとしている雰囲気がすごく素敵だなって思いました。


吉田玲子 Reiko Yoshida 教室でのライブは一回やりたいなと思ってたんです。音楽室では何回も演奏してるんですけど、卒業感を出すためにも、クラスメイトの前で学園モノっぽい感じでライブするからあまり間が空いてなかったので、そのやりくりをどうするかは結構悩みました。なるべく近すぎない感じで、両方ともちゃんと盛り上がれるような時間を作るのを意識しましたね。

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Pub: 20 Oct 2023 06:33 UTC
Edit: 20 Oct 2023 06:49 UTC
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